蔵元でしか買えない限定品に、酒粕のお菓子やお漬物に、限定グッズも。
酒蔵に出向き、食事とお酒を楽しんだら、記念に思い出も持ち帰りたい。そんな思いに応える、
酒蔵ならではの逸品に出会える、心踊るショップだ。
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じっくり醸された、多満自慢のお酒。季節ごとの楽しみもあり、味わいも奥深い
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明治時代にビール製造を始めた歴史を今に伝える、麦酒釜の館。明治20年に、石川酒造は地ビール製造を開始した
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干支が入った記念ラベル。母の日やハロウィンなどイベントごとのラベルも楽しみ。
店長からの一言
営業部長 小池 貴宏さん
蔵元でしか買えないお酒もありますし、お酒が飲めない方にもうちの酒粕を使ったケーキや漬物など、アルコール以外の人気商品も多々ございます。酒蔵探訪の記念に、心ゆくまで買い物を楽しんでいただければと思います。お気に入りのものを見つけていただければ幸いです。
基本情報
店名 | 酒世羅 ~石川酒造直売店~ |
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住所 | 福生市熊川1 |
電話 | 042-530-5792 |
営業時間 |
10:00~18:00 |
定休日 | 年中無休(年始は休業) |
駐車場 | 40台 |
カード使用 | 使用可 |
URL | http://tamajiman.co.jp/sakesera/ |
ストーリー
目玉は、ここ=蔵元でしか買えない酒
拝島駅から徒歩20分、敷地に足を踏み入れるや、白壁の土蔵が織りなす別世界が待っている。樹齢400年という「夫婦欅」のたもとにあるのが、石川酒造の銘酒「多満自慢」と地ビール「多摩の恵」「TOKYO BLUES」などがズラリと並ぶ、蔵元直営の売店だ。「酒世羅」という名は「ワインセラー」から。店の地下に、古酒を貯蔵している貯蔵庫があることにも由来した。
うれしいのは、ここでしか買えない、つまり蔵元までわざわざ足を運ばないと
手に入らない限定酒があることだ。そのイチオシが、新酒が出る11月初旬からゴールデンウィーク頃まで買える、純米生原酒の「しぼりたて かめくち」だ。注文を受けてからの量り売りなので正真正銘のしぼりたて、昔は蔵人しか飲めなかったという貴重な逸品。口に含んで、びっくり。驚くほどのみずみすしさと芳醇な香り、シュワっとくる微かな炭酸感に、新酒ならではの麹の甘み。ちょっととろっとした感じもあり、美味しい!としみじみ。新酒を味わっている喜びがこみ上げる。
驚くなかれ、こればかりか、更なる喜びが待っていた。初の試みとして12月から、純米大吟醸の「しぼりたて かめくち」の提供も始めたというのだ。50%まで米を磨いた純米大吟醸の原酒を、しぼりたての生でいただくという、これぞ贅沢の極みではないか。口に含めばフルーティーな香りがパァーッと広がり、思わず、「何、これ!」信じられないほどの感動ものだ。味わいはみずみずしく、それでいてすっきり、さらりと喉を通っていく。上品でありながら、純米ならではの力強さも併せ持つ大吟醸。これを目の前で瓶に注いでくれるなんて、こんな幸せはどこにあろう。この2つの酒を買うために、ここに通ってもいいと思うほど。
2017年からは季節のイベントに合わせた、オリジナルラベルの酒の販売も始めた。母の日、父の日には感謝の思いをラベルに託し、ハロウィンラベルにはかぼちゃも登場。大好評で終了した。
年賀に使える干支ラベルなんて、ニクいアイデアではないか。石川酒造の商品が一同に会す様は実に壮観、いろいろな発見も楽しい、酒飲み垂涎の貴重なショップだ。
お酒が飲めなくても、楽しい場所に
「実は酒世羅のもうひとつの柱が、ノンアルコールの商品なんです」と小池さん。店内をよく見れば、多満自慢の酒粕を使った商品がそこかしこに気づく。大吟醸の酒粕を使った、その名も「大吟醸ケーキ」(1,543円税込)。「酒粕ピーナッツ」はつまみにぴったり。「わさび漬け」や大根の「酒粕たくあん」(どちらも540円)は、下戸も酒飲みも一緒に食卓で楽しめるというものだ。
食品だけではなく、「酒粕石鹸」(540円)や、今年新たに「酒粕の入浴料」(280円)も取り扱っている。
「多満自慢」の前掛け(1,980円)や「TOKYO BLUES」のTシャツ(2,500円)、多満自慢の酒器など、各種グッズも充実している。小池さんは言う。
「アルコール以外のものも、需要が高いんですよ。ツアーで酒蔵見学に来られる方には、お酒を飲まない方もいます。飲まない方にも、酒蔵を楽しんでいただきたいと思っておりますので、よりノンアルコールの商品を充実させていきたいと思っています」
石川酒造では酒蔵と巨木、せせらぎが織りなす空間を「酒飲みのテーマパーク」と銘打っているが、こうして酒飲みでない方への配慮も忘れない。これはもう、万人のテーマパークとなるのでは?これぞ、福生が誇るテーマパークって、ちょっとそれは盛りすぎかな?
酒蔵を丸ごと楽しむ、その一助として
四季折々、日本酒で季節を楽しめるように
日本酒には、四季がある。その四季折々楽しみを提案してくれるのも、蔵元直売店ならではだ。小池さんが、四季のサイクルを教えてくれた。
「まず新酒ができる冬には、新酒のしぼりたて<あらばしり>と<にごり酒>ですね。2月には、大吟醸の生酒<ささにごり>を出します。ゴールデンウイーク前頃には、冷蔵庫で熟成させた<熟成純米生原酒>ですね。夏には<夏の純米吟醸>、秋には一夏熟成させた<ひやおろし>、そして次の新酒となります」
季節ごとに店頭に立つだけで、日本酒の四季が身体に染みて行く。現在、さらなる四季の商品として、「にごり酒」の超活性酒を春に出すべく奮闘中という。栓を開けただけで、ぱあーっと噴き出す酵母が生きている酒だ。
「通常のにごり酒は王冠に穴を開けて、発生した炭酸ガスを逃すようにしていますが、王冠に穴を開けずに瓶詰めしたものを今、横に寝かせて熟成中です。どこまで活性化が進むかわかりませんが、これもここだけの限定酒になります」
また、足を運ぶ目的ができてしまったではないか。千葉や横浜など、電車を乗り継いで客はわざわざやってくるという。ならば、私たちは足元に幸せがあることをちゃんと噛みしめないといけない。
酒蔵という、全体のロケーションのなかで
石川酒造が酒造りを始めたのは、文久3(1863)年9月。あきる野市の森田酒造の蔵を借りて酒造業を起こし、創業当時の銘柄は「八重桜」。明治13(1880)年に現在地に本蔵を建設して、以降、ここが石川酒造の酒造りの拠点となった。この時に造られた本蔵はじめ、明治30年築の新蔵、江戸の文久3年に造られた文庫の土蔵など歴史的価値が高い趣ある蔵に、敷地はぐるっと囲まれている。酒蔵だけでなく、「夫婦欅」など巨樹がそびえ、玉川上水の熊川分水がさらさら流れる石川酒造の敷地そのものが、人を遠い江戸にタイムスリップさせてくれる貴重な空間だ。この雰囲気を求め、懐かしい郷愁の匂いに浸りたく、人は石川酒造にやってくる。酒蔵を見学し、敷地内レストランで地酒、クラフトビールと食事を楽しんだ後は、記念になにか欲しくなるのは当たり前。人々の最後の寄港地となるのが、酒世羅なのだ。小池さんは言う。
「やっぱり、このロケーションあってのこの店なのです。来てくださった方が満足してお帰りできるよう、どうしたら喜んでいただけるかを常に考えて行きたいです」
「多満自慢」の由来は、「多摩の心をうたいつつ、多摩の自慢となるよう、多くの人達の心を満たすことができたら」という願いにあるという。まさに、その願いを体現する、飛び切りのお買い物スポットが地元にある。