時計の電池交換から、眼鏡の調整、修理まで。
常にお客の立場に立って、
見えないところにも、徹底して心を配る。
福生に根付いて100年、職人気質を貫く、
信頼の店が地元にある。なんと心強い限りだろう。
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メガネのフレームもこれだけ充実。自分の好みに合ったものを納得の上、チョイスできる。流行のフレームもちゃんと押さえてあるのも、女性にはうれしい
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時計の電池交換、メガネがうまくフィットしなくなったなど、ちょっとした困りごとでいつでも気軽にかけこめる。預かるなど時間がかかるものもあるが、店頭で解決できるというのが心強い
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通販で買うことが多くなった時計事情。店頭で自分の合うものをじっくり探すのも、時計選びの醍醐味だ。安かろう、悪かろうにはくみしない。年配者からは特に喜ばれている
店長からの一言
谷川栄一さん
時計の電池交換も時計の部品に指紋をつけないよう、丁寧に細心の注意を払って行います。機能性、耐久性に優れたいいものを長く使っていただけるようにと、お客さまの立場に立って仕事をしています。修理・調節など、何でもご相談ください。お気軽に、お立ち寄りいただければと思います。
基本情報
店名 | 井上眼鏡・時計店 |
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住所 | 福生市福生1047 |
電話 | 042-551-0363 |
営業時間 |
10:00~19:00 (日・祝は〜18:00) |
定休日 | 月曜 |
駐車場 | コインパーキング利用 |
カード使用 | 可 |
URL | https://kabu-inoue.jimdo.com/ |
ストーリー
快適な眼鏡で、より良い生活を
「遠近両用」は遠距離と中距離に、「室内専用」は近距離と中距離に、「デスクワーク用」と「読書用」は手元付近の近距離を見るのに最適。これはすべて、眼鏡のレンズの種類を指す。生活のシーンに応じて、これだけのバリエーションのレンズが用意されているのを初めて知った。さらに、眼鏡のレンズには強い光から目を保護する機能もあるという。「認定眼鏡士」の資格をもつ谷川さんは、このように指摘する。
「最近は生活の中に、紫外線意外にも危険な光が潜んでいます。太陽光はもとより、スマホ、LEDなどが発する青色光から、眼精疲労や加齢黄斑変性などにつながる強い光をカットするレンズが出ています。眼鏡というと視力を補強するものと思われていますが、有害光線から目を守るための機能も、現代社会では重要になっています」
目からウロコの指摘だった。この有害な光線は「HEV=高エネルギー可視光線」と呼ばれ、できるだけカットすることが望ましいという。これをカットする、HEV対応レンズは2万円ほどというのだから、PCの前ばかりにいる生活には予防医学の観点からもはや、無くてはならないものかもしれない。ゲームやスマホに熱中してしまう子供たちにも有効だ。
こうして谷川さんはさまざまな用途・機能を有するレンズの中から、お客のライフスタイルに合わせて、どのレンズがいいのかをプロの視点から提案する。今や眼鏡のレンズのチョイスは、度数だけではないのだ。
「そのうえで長く使っていただけるよう、その方の度数がどう変化していくのか、先を見越して、レンズの度数をセットします。フレームも安かろう悪かろうではなく、多少、値が張っても長く使っていただけるものを用意しています」
価格の目安は、標準のレンズとフレームで2万円前後。女性にとって何より気になるフレームだが、流行を取り入れたおしゃれなものから選べるというのだからうれしい限り。
「いいものを長く、使っていただきたいんです。快適な眼鏡は、その方の生活のクォリティを高めてくれます。そのためにプロとして真摯に対応いたします」
ちょっとした微調整でも、谷川さんは手を抜かない。長年、眼科で、視力検査の手伝いもしていることから、白内障、網膜剥離など病気の兆候に気づくこともある。すなわち、すべてを任せて安心なのだ。
作業は丁寧に、見えないところも大切に
時計に関しては、谷川さんは価格競争には与しない。勝負するのは、仕事の丁寧さだ。谷川さん自身、「時計修理技能士」の資格を持ち、クォーツ時計の修理に精通している。
「時計の世界は知れば知るほど奥が深くて、好きだなって思います。電池交換も大好きな作業ですが、サビや故障の原因となりますから、部品に指紋をつけないよう気をつけて丁寧に行います」
時計の内部という見えないところだけに、指紋だらけにされてしまったり、安い海外製の電池だと液漏れしてしまうことも多いというが、ソニー製の電池を入れるなど、お客から見えない部分にまで、細心のこだわりが貫かれている。
「当店ではできない修理も、古くからのネットワークがありますので安心して任せていただければ」と谷川さん。
取材中も3人のお客が、電池交換と眼鏡の調整に訪れた。ちょっと不具合があった時に、気軽に飛び込める信頼のスポットが地元にあるのは何と心強いことだろう。
「修理でも調整でも、何でもお気軽にご相談ください。何も買わなくてもいいですから、ふらりと立ち寄っていただければと思っています」
創業100年、気負いなく、淡々と
1916年創業、100年愛された店
世は大正5年、福生駅西口に1件の時計屋が開業した。創業者は、明治29年生まれの井上金重氏。戦後まもない昭和24年に法人化に踏み切り、㈱井上時計店に。代々、創業者一族が店を継いできたが、平成25年、一社員であった谷川さんが会社を任されることとなった。
「いろいろな事情が重なり、創業一族が抜け、私が譲り受けたという形になりました。私が入社したのは16年前、ものを作るのが好きでたまたま求人があったのでという流れです」
谷川さんはコンピューター・プログラマーの専門学校を出て、プログラマーの仕事をしていたが、製作現場から電話対応の部署になったことで退社、「眼鏡を作ってみたい」という素直な思いのまま、入社した。
「プログラマーに進んだのは人と会うのが苦手だったからですが」と谷川さんは言うが、今や、常にお客と向き合う日々だ。そこに、苦手などという片鱗は微塵もない。誠実かつ親身な対応にどれほど、お客はホッとすることか。「この人に任せれば、もう大丈夫だ」と。
趣味は昆虫採集、街ゼミで異才を発揮
「認定眼鏡士」の有資格者は年に1回、講習を受け、常に技術と知識に磨きをかける。視力検査に眼鏡の加工、フィッティングと仕事の幅は広い。「もともとモノを作るのが好きなので、眼鏡の加工とか時計の修理とか、細々とした作業をしていると、心から天職だなーと思いますね」
たまたま入社した職場で天職に出会っただけでなく、経営者にもなった。2016年秋、商店街が行った「福生まちゼミ」に参加したのは、「創業一族ではなく、地元とのつながりが弱い」と感じていたからだ。さて、何を教えたか。それがなんと、昆虫採集。
「趣味が昆虫採集、標本作りなんです。西多摩昆虫同好会にも入っています。顔を知ってもらうのと同時に、未来の昆虫ファンを育てないとと思って」
創業100年という老舗の重みを感じることもあるが、谷川さんは日々淡々と、誠実にお客に向き合い続ける。100年の看板を押し出すことよりも、日々の、コツコツとした営みを大切に。快適な生活のサポートに徹するために。だからもう、眼鏡と時計で悩むことはない。井上眼鏡・時計店の扉を開ければいいだけなのだ。