合言葉は、「置物」から「お着物」へ。
着付けから洗濯に至るまでの“至れり尽くせりサービス”が、
遠ざかっていた着物との距離を、ぐんと縮める。
振袖売上実績が1店舗東京都№1という、実力派ショップがわが街に。
さあ、いつでも颯爽と“和服美人”で出かけよう。
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牛浜駅から徒歩3分。4階建てのビルすべてが、着物ライフの“創造空間”だ
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お店に一歩踏み入れただけで夢の世界が出現。色とりどりのさまざまな小物 に、美しい反物。日本の美に目が釘付けとなる
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伝統工芸士である西田満さんによる、つづれ織りの実演。つづれ織りは織物の 中で最高の芸術品と呼ばれる。展示会のために京都から駆けつけた
店長からの一言
内倉裕公さん
着物を通して、“お客さまの暮らしをもっと楽しく、より美しく”を目指しています。着物の良さを見直していただくためにもアフターサービスに力を入れていますので、「置物」ではなく、着るものとしてご活用いただければ幸いです。やりがいは、お客さまの笑顔です。地域密着の着物専門店ですので、どうかお気軽にお店を覗いてみてください。
基本情報
店名 | うちくら呉服店 |
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住所 | 福生市熊川944‐1 |
電話 | 042‐551‐2267 |
営業時間 |
10:00~19:00 |
定休日 | 水曜 |
駐車場 | 16台 |
カード使用 | 可 |
URL | http://uchikura-kimono.com |
ストーリー
着物を通し、家族の思い出作りに貢献
10月の週末、店内は翌年に成人式を迎える、“振袖美人”たちのキラキラした笑顔であふれていた。1階でプロのメイクアップアーティストによるヘアメイクが完了すれば、3階の着付けコーナーへ、そして2階の写真スタジオでプロカメラマンによる記念撮影という一連の流れの後、中央図書館に併設する茶室「福庵」に移動し、日本庭園をバックに家族が思い思いにカメラを向ける。一人とて同じ振袖はなく、髪形もメイクも一人一人の個性によく似合うきらびやかで美しい姿を、祖父母や両親、きょうだいが晴れやかな笑顔で囲む。
9月末から10月にかけての週末に都合7回行われたこのイベントは、うちくら呉服店の振袖で成人式に臨む「家族」のための催しだ。
内倉社長は、イベントにかけた思いをこう語る。
「成人式は、20歳のお嬢さまとご家族の一生に一度のお祝いです。この良き思い出づくりのお手伝いをしたいと思っています」。
「お客さまの笑顔のためには、全力で尽くす。それが喜びですから」と穏やかな笑顔があたたかい。
希望があれば、母親や姉妹の着付けも無料で行う。親子の思い出作りの一環として、親子着付け教室も開催する。「40代のお母さまにはもう一度、20歳の娘さんにはここから」、着物の喜びを知ってほしいという願いもあるからだ。
きめ細やかなアフターサービスで、着物文化を醸成
人はなぜ、着物から遠ざかるのか。それは着付けや洗濯が面倒なうえに、お金がかかるから。ならばと、うちくら呉服店では<何回でも着付け無料>、洋服で来て着物を脱いで帰れる<脱ぎ捨てサービス>、<洗濯は5年間無料>という、「着物を着ない理由」すべてを解決した画期的なサービスを実施している。
着付けは、定休日でも朝でも行う。「卒業式シーズンは大変ですよ。3月はほぼ毎日、着付けが入ります。それも朝の4時半なんてケースも」と内倉社長。
生半可なことで始めたサービスでないことがよくわかる。これこそ、内倉社長の「本質的な商売をする」という信念を裏打ちするものだ。売って終わりではなく、着物を着る伝統を継承するためには一人一人のお客に何回でも着物を着てもらうことに尽きるのだ。
着物に袖を通しさえすれば華やかで格調高い美しさを演出できるとわかっていても、あまりに億劫で「洋服でいいや」と生活から遠ざけていた。
だが、うちくら呉服店の“縁”につながるだけで、いつでも颯爽と着物で装ってさまざまな場に出かけることができるのだ。そう思うだけで、人生がぐっと楽しく、華やかなものに変化する。だからこそ、この正真正銘の実力派ショップの“縁”につながりたいと心より思う。
地域に密着した、“創造型・着物専門店”に
日本一の商売を勉強、3年間売上げトップ
内倉社長は大学3年の時、実家を継いで「呉服店をやろう」と決意した。「3年間という期間を決め専門学校に入ったつもりで、日本一の商売を勉強しよう」と、日本有数の呉服店に就職。それも「3年間、トップでいよう」と心に誓う。配属されたのは、最も商売が難しいとされる、日本一の高級店である銀座の路面店。見事に、3年連続売上トップを手にした。「全部が一から。着物の知識もゼロでしたから。ご芳名をいただくところから始まって、筆でお礼状を書いて」と必死だった。銀座で学んだのは、「上っ面ではなく、本質で商売をしていく」ということ。これは内倉社長の「基本」となる。
実家に戻り、1回目の展示会を行ったところ、母親であるおかみが長年培ってきた地元客だけでなく、内倉社長が作り上げた銀座のお客も駆けつけ大盛況となった。3年間、「名簿の力だけ」で着物が売れたという。
しかし、内倉社長の心には「銀座の名簿が正しいのか」という思いが芽生える。ここではっきり、方針が視えた。
「地元で何十年と商売をやっていく以上、大勢のお客さまを地元に作った方が正しい」。道は決まった。地域密着型で行くのだと。
着物の喜びを多くの人に伝えたい
内倉社長は地域密着の要を、振袖に据えた。振袖は、新規のお客をつかむには絶好の機会だ。着物を着る喜び、楽しさをちゃんと知ってもらうと同時に、母親や姉妹などさまざまな年代も巻き込んで行った。「“創造型”で行くと自分で謳っていますが、農耕型なんです。種蒔いて耕してと、お客さまを作っていく」と内倉社長。
初年度は86枚だった売り上げが、数年後には250枚へと急成長。「売るのではなく、将来的に着物を着てもらえるお客さまを作ること」こそ、内倉社長が求める本質的な商売だった。着物文化が廃れてしまっては、呉服店の存在意義どころか、日本文化という伝統の継承も立ち消える。
地元きっての呉服店という揺るぎない信頼を得た今でも、「商品を売るだけでなく、良い思い出づくりに貢献できるよう」と、うちくら呉服店のお客への眼差しはあたたかい。
おかみの登志子さんと妻である若おかみの美紀さんと力を合わせ、日々、「お客さまの笑顔」のために奮闘する姿は2か月に一度開催される展示会でもよくわかる。いいものを超破格で提供するだけでなく、各地の銘菓などを用意したおもてなしがあたたかい。
着物の喜びを提供してくれる頼もしい専門店が地元にあることを、心から喜びたい。観劇もパーティーも発表会も、これからは着物でばっちり決められるのだ。