ビール片手に、国境を超えて笑い合おう!
タパスアンドグリル
Taps&Grill
「いいサービスとおいしい料理」に自信があります
- 住所
- 福生市福生875-1 田尾ビル1F
- TEL
- 042-513-6585
アメリカの食を知ってほしい、
どこにもない味がここにあると、店主。
笑い声にあふれ、飛び交う言語はさまざま。
楽しく飲み食べ、ライブもできる、
エンターテインメント空間が赤線にある。
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この迫力を見よ! 分厚いパテの肉肉しさNI焼き野菜の甘み、溶けたチーズの濃厚さが絡み合う「MAD DOGバーガー」
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ビールサーバー注ぎ口は、なんと6個も! お馴染みのビールに地ビール、クラフトビールも。料理は全て、ビールに合うものばかりだ
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ポテトフライも、Taps流となればここまで豪快に。大ぶりのポテトフライは満足感たっぷり
店長からの一言
ダニエル サンドホルザーさん(右)、エリカさん(左)さん
大好きな街・福生のために、多くの人に楽しんでもらえるようにオープンしたお店です。食べ物と飲み物のクオリティはもちろん、心を込めたおもてなしのホスピタリティと、ライブやスポーツ観戦もできるエンターテインメンも大切にしています。どうか、お気軽にお越しください。
基本情報
店名 | Taps&Grill |
---|---|
住所 | 福生市福生875-1 田尾ビル1F |
電話 | 042-513-6585 |
営業時間 |
17:00~23:00 |
定休日 | 月曜、火曜 |
駐車場 | 近隣の有料駐車場をご利用ください |
カード使用 | 可、スクエア(キャッシュレス決済対応) |
URL | https://www.facebook.com/TapsGrillFussa/ |
ストーリー
州ごとに違うホットドッグ、自慢のハンバーグパテも
木目を生かした壁が目に心地よい、落ち着いた空間。カウンター越しに並ぶはカクテル用の各種お酒、そしてビールサーバーは何と6口! 酒飲みには間違いなくうれしい空間だと瞬時にわかる。メニューを見ればどれも、ビールにぴったりのものばかり。否応無くテンションが上がる。ダニエルさんが笑ってうなづく。
「アサヒ、キリン、サッポロはいつもあります。アメリカ人、日本のビールが好きなので。多満自慢の多摩の恵みも人気です。全国各地のいろいろなクラフトビールを日本人にもベースの方にも知らせたくて、IPMもいろいろ入れています」
酒だけでなく、料理に相当に力を入れているとダニエルさんは胸を張る。
「アメリカでは、ホットドッグは州によって違います。シカゴのシカゴドッグはケチャップを使わずにマスタードだけ。ニュージャージーではイタリアンドッグと言って、ポテトフライを乗せます」
ダニエルさんがイタリアンドッグを出してくれた。そのボリュームたるや、口を最大限に開いてようやく頬ばれる分厚さだ。鉄板で焼き目がつくほど焼かれたソーセージが香ばしくジューシー、グリルされたオニオンとパプリカの甘さが実にいいアクセント。ポテトフライの食感が味に変化を与え、ケチャップとマスタードが全体をまとめる。ソーセージの焼き加減が抜群なのだ。香ばしく、プリッとした食感がたまらない。ソーセージの焼き加減はいちいち客に聞くそうだが、「焦げるほど焼いて」という注文が多いのには、心から納得だ。
「僕が作るハンバーグは結構、美味しいですよ。他で、絶対にこの味はない」とダニエルさん。ハンバーグのパテはいろいろな肉を独自の配合でブレンドした合挽き肉を使用、いろいろなシーズニングスパイスを加えたオリジナルだ。
「自分のこれまでの経験はもちろん、友達から自分の家庭の味も聞いて取り入れ、試行錯誤してできた味。だから、このMAD DOGバーガーはいろんな家庭の味が詰まっている」
そのバーガーパテは、2センチ以上はある分厚さなのだ。焼いたパンにグリルしたオニオンとパプリカを乗せ、そこにチーズをまとったパテを乗せ、ピクルスをトッピング、マヨネーズとタイ発祥の激辛ソース「シラチャーソース」をかけて完成となる。
最大限に口を開いても、頬張るなんて不可能だった。何と肉肉しいハンバーガーだろう。パテの肉そのものの味が濃く、さまざまなスパイスが複雑な味を作り出す。焼き野菜の甘みと溶けたチーズの濃厚さも口中で一体化し、マヨネーズがいいアクセントになっている。シンプルでありながら、これぞ、肉を喰らっているという野性味が、かぶりつくたびに湧き上がる。ジューシーかつ複雑な味わいのバーガーに圧倒された。
人気メニューがズラリ、アジアンフードも
「ビーフタコス」も不動の人気メニューだ。タコスはメキシコの食べ物だが、「日本人にとっての麻婆豆腐のようなもの」とアメリカ在住の友人が教えてくれた。
「僕が作るタコスは、普通のタコスと違っていると思う。僕のオリジナルシーズニングソースは他にない、ここだけの味」
タコシェルは、ハードなものと柔らかなトルティーヤが選べる。ダニエルさんが出してくれたのは、トルティーヤ。こちらの方が人気だと言う。
目に入ってくるのは、パクチーの緑にダイスカットされたトマトの赤、サワークリームの白というきれいな色彩に心が躍る。ふわっとした生地を一口頬張るや、口中で複雑な味の競演が始まる。各種スパイスとオリジナルシーズニングソースで味付けされたひき肉は、重厚な旨味たっぷり。この土台の上にハラペーニョのキリッとした辛さ、フレッシュなトマト、オニオン、パクチーの爽やかさが絡み合い、サワークリームが容赦ない辛さをマイルドにしてくれる。こんなタコス、食べたことがあったろうか。絶対にまた、食べたくなる味だ。
ダニエルさんはメニュー全てが自信作で、すべてオリジナルの味だと言う。アメリカンフードだけでなく、妻のエリカさんがフィリピン人なのでエスニック料理もメニューに並ぶ。
「空軍の兵士は、世界中を回っていろんな料理を食べています。その中でも、ベトナムのサンドイッチ<バインミー>が大好き。だから、入れています。<スパゲティミートソース>はフィリピン人の一番人気、“ジョリビー”というファーストフード店仕様のものです。フィリピン人のお客さんがよく食べますね」
店では英語が飛び交い、ダニエルさんやエリカさんと客が陽気に話す笑い声が絶えないほど。一瞬、ここはアメリカ?と思ってしまうが、韓国人もいればフィリピン人も、もちろん日本人もいる。国境を超えて、愉快に楽しくビールを飲めるなんて最高だ。しかもお供をしてくれるのは、ここにしかない選りすぐりの料理なのだ。
美味しい料理とお酒、そしてエンターテインメントも
福生は地元、大好きな街だからこそ
ダニエルさんがアメリカから来日したのは1980年、4歳の時。父が空軍パイロットとして横田基地に赴任したのだ。ダニエルさんは一時、アリゾナ州に戻ったが、1991年に再来日。私立中学に入学した。
「日本の中学に入ったのですが、ものすごく大変でした。日本語が全くわからない。わからないのに、授業は日本語でどんどん進む」
それでも無事に中高一貫校を卒業、横田基地内にあるメリーランド大学に入学した。卒業後は基地内の会社に勤務した後、2003年からメリーランド大学の職員として人事の仕事を行っている。ダニエルさんは、アメリカに帰国することを考えなかったのだろうか。
「全然。日本は小さい頃からいるし、大好き。ここ福生で育ってきたから、ここが僕の地元だと思っています」
小さい頃から料理が好きで、よく作っていた。5歳の頃には父に頼まれ、カクテルのシェーカーも振っていたし、アルバイトでバーテンの仕事も経験した。ダニエルさんには、いつしか、料理の仕事もしたいと思うようになった。
エリカさんの来日は1995年。ダニエルさんとは昔から知り合いではあったが、10年の時を経て、2013年に再会、結婚することに。一緒に店を持ちたいという夢が生まれ、翌年、基地の近くにカラオケバーを開店した。
どうしても料理を出したいと2店舗目の店を探し、今の店に決め、リフォームに取り掛かったのが2019年12月。コロナの影も形も見えない頃だった。
意外な一番人気に、ライブやスポーツ観戦も
オープンは2020年7月22日、Go Toトラベルが始まった日だが、まだまだコロナの影響は大きかった。それでも懐かしい味を食べてお酒が飲みたいと、ベースのアメリカ人やフィリピン人がやってきたり、国際色豊かな店としてスタートが切れた。そんなお客たちに、一番出るメニューが「バッファロー ウイング」。それは、何?
「<バッファロー ウイング>は、アメリカ人が大好きな定番おつまみですが、うちのオリジナルソースはどこにもない味。ちょっと辛いけど、よく出ます」
鶏の手羽を揚げたものを独特のホットソースに絡めたのが「バッファロー ウイング」ということだが、ダニエルさんはよりボリュームのある手羽元を使用している。
赤いソースをまとった、ツヤツヤの骨つきチキンが目の前に置かれる。ブルーチーズのディップと、スティックセロリと共に。手でチキンを持ち、かぶりつく。瞬間、容赦ない辛さに衝撃が走る。とても辛くて、とても酸っぱい、この赤いソースは間違いなく初めての味だ。指と口をソースと脂まみれにして、ぐいぐいかぶりつく。辛くて酸っぱいだけでない。とても複雑で奥深いソースなのだ。何が入っているのだろう。いくら舐めてもわからない。
「ビネガーとパプリカパウダー、あとは何が入っているかは教えられない。企業秘密ね」とエリカさんが笑う。
チキンをディップに付けて食べれば、劇的に味変。辛さが和らぐと同時に、ソースのコクと甘みがより際立つ。これは、やみつき必至の味。リピーター続出は当然だ。こんなチキン、食べたことがない。
ここまでで相当お腹がいっぱいなのだが、エリカさん作の「フィリピンのポーク春巻き」や「チキン春巻き」など、いろいろ試してみたいメニューばかりだ。
二人はこの店を飲食だけの空間ではなく、エンターテインメントも追求したいという思いがある。だから、ステージも作った。今はコロナで難しいが、おずれライブが楽しめる場所にしたいし、大きなプロジェクターを揃えたのもスポーツ観戦ができる場所にもしたいからだ。
「リフォームに時間をかけたのも、自分たちが作りたい店にしたかったから。みんなのために、そして私たちのためにも、楽しめる場所にして行きたい」
まさに福生らしいお店、いや、福生だからこそ生まれたお店ではないだろうか。熱気にあふれ、笑い声に包まれる場所で、軽やかに国境を越えて楽しもうではないか。