武陽ガス

暮らしサポートチームのメンバーたち。左から来住野さん、岩﨑さん、小澤さん。台所などの水回りの困りごとに、遺憾なく力が発揮できるチーム力を誇る

　2023年3月、武陽ガスは創業以来、初めての試みをスタートさせた。それが、家一軒丸ごと、住まいの全ての困りごとに対応する、リフォームサービスだ。これまでキッチンや風呂など、ガスに関わる水周りのリフォームには積極的に取り組んできたが、屋根や外壁、玄関、エントランスなど、ガスと全く関係のない部分を含めた家一軒丸ごと、武陽ガスが引き受けると堂々と宣言したのだ。
　この業務を専門に担うのが、3月に立ち上げられた「暮らしサポートチーム」だ。来住野隆行さんを筆頭に、入社25年目の小澤祥子さん、同3年目の岩﨑あかねさんの３人がメンバーだ。来住野さんは言う。
「以前も、ガスに関わる水回りのリフォームの相談は受けていましたが、新しいチームにより、ガスに関係なく、お客さまの困りごと全てに対応できるようになりました。地域に根ざした会社だからこその、相談しやすさがあると思います」
　確かに、ガスの点検や修理などを通し、長年、馴染みのある会社だからこそ、お客にとっては話しやすい。家の困りごとはいろいろあるものの、その一つ一つをそれぞれ、どこに相談を持っていけばいいのか、わからない方がほとんどだと思う。それが長年、家に入り、信頼関係を築けている武陽ガスに丸ごと、相談できるのだ。これほど、ありがたいことはない。きっと多くの家庭が、諸手を挙げて歓迎のはずだ。

お客の話をじっくり聞き、寄り添って工事を進める。だからヒアリングには十分な時間をかける

　リフォーム担当のチーム名が「暮らしサポートチーム」であるように、私たちの暮らしを、同社が包括的にサポートすることを目指している。このチームに、女性が2名抜擢されたのは、暮らしや家の悩みを訴えてくるのはほとんどが女性だからだ。女性目線を大切にしたいという思いが、同社にはある。小澤さんは、ヒアリングがとにかく大事だと語る。
「できる限り、話を聞きます。その中で解決できる方法を提案していくのですが、そのご家族の歴史、生活のありようなどがそれぞれ違いますから、そこを活かしてと思っています。年配のお母さまのお話を聞いただけで、映画のような家族のシーンが浮かびます。それが毎回、新鮮です。ご家族の歴史を大切にして、それを生かしたリフォームを提案しようと思っています。だから、全てがオーダーメイドなのです」
　家族の歴史に触れる感性も、女性だからなのだろうか。まだまだ、キッチンは女性の場所だったりする。我が家のキッチンをどういう方向に変えていきたいかは、家族の歴史に無関係なわけがない。
　岩﨑さんも、リフォームは初めてだ。すべてが勉強中だが、この半年で印象的だったのは、トイレのリフォームだ。
「ガス会社でトイレを扱えるのはあまりないと言われますが、年配の方から、孫が怖いと言っているという相談が多いです。リフォームしてキレイになって、孫が喜んでトイレに入ってくれるという声を聞くと、やっぱりうれしいです」
　この半年で玄関、フェンス、窓の取り替えなど、これまでにはなかった工事を行い、実績を作ってきた。施工は武陽ガスが信頼を置く、業者に発注する方式だ。
「この地で長年、ガスを供給してきた実績上、安心して工事を任せ、仕上げらることができる協力会社と連携しています。ですので、技術力には、全く心配はありません」と来住野さん。
　2017年４月からのエネルギーの自由化に伴い、ガスだけでなく電気も販売するようになり、電気のことも相談できるというメリットも同社では併せ持つ。
　地元で信頼の厚い企業が、住民一人一人の生活に寄り添って、親身になって話を聞いてくれた上での工事だ。全幅の信頼を寄せ、心から任せられると住民の一人として確信する。