一番、損しちゃいけないのがお客だと言う。
利益先行ではなく、みんなが喜ぶ関係が理想形。
外壁のヒビ割れ、屋根のコケ、鉄部のサビに、
電話1本でかけつけてくれる、
信頼の塗装屋さんが足元にある。
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目には見えないところも手を抜かない。サビ落としの作業も丁寧に
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サビ止めの塗料を塗布した上で、仕上げにかかる。塗装とは表面を塗るだけではない
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屋内の壁の塗装作業。パテで行う平滑り処理は丁寧さがモットー。美しい仕上げに余念がない
店長からの一言
東海林浩美さん
どんな小さなことでも、お電話をいただければ、すぐにご自宅にうかがい、適切に判断し、見積もりを出させていただきます。塗装一級技能士の管理のもと、自社職人による施工のため適正な低価格でさせていただきます。どうか、お気軽にお電話いただければと思います。
基本情報
店名 | ㈱いちねん |
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住所 | 福生市熊川1298-5 |
電話 | 042-513-0070 |
営業時間 |
8:00~18:00 |
定休日 | なし |
駐車場 | なし |
カード使用 | 不可 |
URL |
ストーリー
施工するのは常に、「正しい塗装」
チラシには、「正しい塗装」と銘打つ。これこそが、「いちねん」のキャッチフレーズなのだ。東海林さんが「正しい塗装」と堂々と胸を張るのは、そうではない塗装もあるからだと素人には思えてならない。
実直な笑顔が印象的な東海林さんは、いくらカマをかけても「他社の批判はしたくない」と口を閉ざす。とはいえ、お金を払うのは消費者側だ。ある程度、塗装業界のことも知識として抑えておきたい。そろそろ外壁を塗り直してもらおうと思っている人間にとっては、切実な問題だからだ。
実は素人にはわからないが、3回塗るところを1回で終わらせるケースも無くはないと、東海林さんが重い口を開く。ポスティングされるチラシに安易に乗って、1年も経たないうちに色褪せてしまうこともあるというから要注意だ。
「こういう仕事って、一番損させてはいけないお客さまにしわ寄せが行くので、絶対にしてはいけないと思っています。私の理想はうちにも利益が出て、お客さんにも満足してもらって、働く職人にもいい形になることです。利益先行は嫌いです。誰かが嫌な思いをすることなく、みんながウィン・ウィンになるような仕事をしていきたいですね」
東海林さんは塗装一級技能士という国家資格を持ち、長年、ビル・マンションの現場で、ゼネコンの厳しい指導のもとで仕事をしてきた技術力をもって、「正しい塗装」を常に行う。
「必ず長持ちするものに仕上げますし、塗料メーカーとうちで連帯して保証書が出せますので、お客さまに安心していただけると思います」
塗装の工程など、素人にはわからない。しかし、東海林さんに頼みさえすれば、見えないところも決して手を抜かず、きれいで長持ちする「正しい塗装」をしてくれるのだ。
夏の日差しには、遮熱の塗料がオススメ
現在、従業員は6人、東海林さんがきっちり仕込んだ確かな技術を持つ職人ばかりだ。これまではビル・マンションなどの仕事が多かったが、住宅に力を入れたいとFの店のメンバーとなった。
「外壁は今、サイディングという作り付けが多くなっていますが、傷む前に、サイディングボード専用の透明な塗料を塗っておくと、いつまでも新築の状態を保つことができます。また屋根や外壁に遮熱の塗料を塗ると、かなり夏の暑さが軽減されます。猛暑日にはとても入れなかったというロフトにも、平気で入れるようになりますから」
外壁のヒビ割れも充填材を流し入れるなど修復した上で、屋根のコケも傷む原因となるため、きれいにしてから塗装を行う。家人には全く気づかない、家の傷みまで補修してくれるのだ。
外壁とはいえ、敷地内に入る工事だ。職人にはマナーと常識を徹底して仕込み、雑草であっても踏みつけにしないように指示を出す。踏まないと仕事ができない場合は必ず、お客に確認をする。工事に入ることで迷惑がかからないように、細心の気配りを貫くのだ。
誠実な気配り、妥協なき施工はすべて店名に込められた思いによる。「いちねん」とは、「一念発起」の「一念」であり、同時に「ひとつの思い」という意味も込めた。東海林さんに「ひとつの思い」は何なのか尋ねたら、シンプルかつストレートな答えが返ってきた。
「正しい塗装。インチキはしない」
職人魂にただ、頭が下がるのみだ。
どんな状況でも、80%の仕事をやり続ける
やっと出会えた、夢中になれる仕事
鉄扉の塗装作業。最後の仕上げに取り掛かる
東海林さんは10代で上京、飲食店などアルバイトを転々とする日々だった。
21歳の時に、人間的にとても魅力がある4歳年上の塗装職人と出会ったことがきっかけで、「この人と同じ仕事がしたい」とこの親方の元へ見習いで入った。やってみたら、これがはまった。
「ペンキを塗るって、誰でもできると思うでしょ? でもこれが仕事となると、難しい。もっときれいに、もっと早くと奥が深い。興味がどんどん出てきて、魅力的な仕事だなーって」
一人前の塗装職人になるのは、通常、5年はかかるという。現場では年下でかなりの腕前をもつ人もいる。早く追いつきたい、追い越したいと東海林さんは、1年目は1日も休まず、現場に出た。昼は現場でひたすら実践の励み、夜は親方の家で酒を飲みながら、建築関係の知識を学んだ。
「どこにでもいるような職人になるな。これでいいと満足すれば成長はない。向上心を持たないと終わりだぞ」
親方の言葉を胸に刻み、励んだ結果、2年後の23歳の時には責任者として現場を任されるまでとなった。現場を責任者として治めることができることこそ、一人前の塗装職人となった証だった。
27歳で独立、山あり谷ありの日々
東海林さんは27歳で独立、一人親方として知り合いの紹介の仕事を請け負ったり、工務店に手伝いに行くなどして事業を開始した。これを機に結婚、一家の大黒柱にもなった。当初は仕事さえあれば、なんとかなる。確かな腕があれば怖いものはないと思っていた。しかし、最初から座礁に乗り上げる。元請けの工務店が夜逃げをし、300万円の売掛金が消えた。続いて、別の工務店から170万円の未回収。
「いやー、きつかったですね。材料屋さんに頼み込んで材料代を分割にしてもらって、小さい仕事を請け負いながら何とか、家族を食べさせていました。今、思えば考え方が職人だった。経営ということがわかっていなかったんです」
どん底からの出発だったが、仕事が拡大し、従業員も雇うようになり、家族と従業員を塗装職人として支え、今年で23年。4年前には法人登記も果たした。
「今は厳しいですよ。20年前に100万だった仕事が80万。きちんと管理をして、少ない工費でも利益を出していくようにしないといけない。ビルやマンションの仕事だけでなく、もともと住宅もやっていましたから、こちらに力を入れてやっていきたいですね」
常に、100%の力を出し切った仕事ができるわけはない。大事なのは80%の仕事を、体調がどうであろうが、確実に毎日、やり続けることだという。
「今日、100%やりきって、明日は体調が悪いから60〜70%の仕事でもいいというのは、お客さんに失礼です。現場ではいろいろなことが起こります。いくらでも言い訳ができる。しかし、それは絶対にしない。どんな状況であろうとも、常に80%の仕事をやり続けることが大事だと考えています」
こうした妥協なき信念のもと、ゼネコンの現場で培った確かな技術を、一般住宅でも存分に発揮してくれる。外壁や屋根など家の困りごとに、頼もしい伴走者が地元にいてくれるのは何とありがたいことだろう。