カーマッチ多摩西店

自社ローンを採用。スタッフが親身になって生活状況や希望などを聞き取る。中古車難民にとって、まさに救世主だ

自動車に限らず、ローンを利用するには信販会社の審査を通過しなければならないが、自社ローンは販売店がお客の信用状況を独自に調査し、直接、融資をする形となるため、当然、通常のローン審査より通りやすいのが特徴だ。
　審査に通りやすいだけでなく、金利がつかない、審査に時間がかからないため即日納車も可能などのメリットもある。
　例えば金融事故を起こしていたり、任意整理、自己破産などを経験したり、年金生活者や自営業者、非正規労働者、住宅ローンなど他社からの多額の借り入れがある人などは、通常の審査では通りにくい。しかしこうした例も、ほとんど自社ローンなら借入れが可能だ。
もちろん、アミテスとしては、リスクを覚悟してのスタートだった。しかし、箱を開けてみれば通常の販売より、自社ローンの方が大きな利益を生んだ。藤原さんは言う。
「はっきり言って通常の販売より、自社ローンでの販売の方が利益は上がっています。それほど、必要とされていたわけです。もちろん、原価を回収するまでは我が社の赤字となるわけですが、ほとんどの方が滞納なく、きちんと支払われています。滞納が続き、車の回収に動いたケースもあります。でも、そちらの方が少数ですね」
　2年で、これだけ利益を上げるまでに成長したのは、アミテス自身、販促会社であるという利点が大きかった。
「販促会社だから、自社でブランディングできるわけです。ネットでPRしますし、定期的にチラシも入れています。なので、近隣のお客さまが多いですね」
　このような方法で車を入手できることがわかれば、どれだけ救われる方が多いのだろう。中古車難民にとってまさに、待ちに待った救世主だ。

臆することなく、まずは気軽に相談を。スタッフが親身になって迎えてくれる。社会的ハンディキャップを背負った方達の駆け込み寺がここに

お客との面談を通し、自社ローンを決定し納車した後でも、その関係は続く。
「カーマッチのシステムって、車を売るだけではないんです。生活のアドバイザー的な役割もあり、私はトレーナーとして本社で学んでいます。聞けば、とてもお気の毒な方も多いですし、奨学金返済でどうしようもなくなった若者や、親が子どもの名前で勝手にお金を借りるなど虐待のようなケースもあります。携帯の機種代を滞納していると、ほとんど審査は通りません。困っている若者が本当に多く、少しでもやり直しに手助けができればと思っています」
　今やシングルマザーの半数は非正規労働であり、彼女たちも通常の審査には通りにくい。車があればどれだけ助かるか、不自由な思いをしている方も少なくない。若者たちもそうだ。正規労働に就くのは今でも困難であり、奨学金という何百万円の「借金」を背負って社会人になる若者も多い。だから、と藤原さん。
「いい仕事だなーって、つくづく思いますね。リスクを背負った若者を、誰かが救わないといけないと思うんです。いろいろなことを知らないで、社会的ハンディを背負ったなら、それを誰かが教えてあげないと。ここが、最もカーマッチに共感した部分です。『そんなことやってて、どうすんの！』と怒ることもあります。自分の甘さに気づいてもらえるよう、生活のアドバイスをやっていけたらって思いますね」
　一度、失敗すれば這い上がることができない社会ではなく、きちんと手を差し伸べる社会でありたい。自社ローンがまさか、ここに一役を買っているとは思いもしないことだった。貴重な企業が、Fの店の仲間になってくれたことを喜びたい。