食のエンターテイメント満載、うれしい驚きに出会う店
シーズナルキッチン
Seasonal kitchen うみかじ
「旬の素材を使った料理」に自信があります
- 住所
- 福生市本町123 加藤ビル1F
- TEL
- 042-553-7413
海鮮料理が看板だが、肉もただものではない。
独創性あふれる、オリジナル料理の数々が、
一夜の食を一つの物語にまとめ上げてくれる。
間違いのない料理ばかりと店主が胸を張る。
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珍しい魚が並ぶ、刺身盛り合わせ。この日はさわら焼霜造り、ホウボウ、マダイ、タチウオ、ヒラメ、本マグロ。厚切りの刺身は食べ応え十分。新鮮でどれもキトキト
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「小魚のカラっ揚げ」(1,000円)、これを小魚と呼ぶのだろうか。カリカリに揚げられたキンキを魚醤ベースのタレで食す
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「漬けもずく」(650円)は、ザルの上にドサッと盛られたもずくを、温かな出汁でいただく一品。驚きと旨さで箸が止まらない
店長からの一言
佐々木謙一さん、武井宝郎(右)さん
その日のおすすめの料理と、うちのオリジナルの料理について、 お客さまには店主が必ずご説明させていただいています。 絶対に間違いのない料理ばかりですので、ぜひ、おすすめをお召し上がり 頂ければと思っております。どうか、お気軽にお寄りください。
基本情報
店名 | Seasonal kitchen うみかじ |
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住所 | 福生市本町123 加藤ビル1F |
電話 | 042-553-7413 |
営業時間 |
16:00~22:00 (日曜・祝日は13:00から) |
定休日 |
水曜 年末年始(12/31~1/2)沖縄出張時 |
駐車場 | 近隣の有料駐車場をご利用ください |
カード使用 | 可(お問合せ下さい) |
URL |
ストーリー
自慢の海鮮は、趣向を凝らしたオリジナル料理で
美しく盛られた刺身が一瞬にして、店の実力を物語る。サワラの炙りは香ばしくねっとりと口中でとろけ、ピカピカの太刀魚はコリコリの身と脂がたまらない。鯛はマダイ、髭剃りタイ、ヘダイと3種が並び、それぞれの個性が味わえるという贅沢さ。本マグロは震えんばかりの感動を呼び、ふんだんに散りばめられたツマ各種が、厚切りの刺身のいい伴走者となっている。その皿はまるで小宇宙、完璧な世界を作り上げていると言っていい。
これほどのクォリティの刺身が身近に味わえるとは、幸せ以外の何者でもない。店主の佐々木さんはこう語る。
「うちの一番はお魚ですから、旬のいろいろな魚を使うようにしています。豊洲から直送したものを、刺身は良心価格で出させていただいています」
お客がテーブルに着くと、佐々木さんはおすすめの料理を説明する。必ず、筆頭に出てくるのが、「地魚のハーブグリル」(2,300円)だ。ここは、ブレることはない。
目の前にどんとホウボウが丸ごと一匹、オリーブオイルとガーリック、ハーブの香りをまとって供される。何という迫力だろう。ふわふわの白身にガーリックオイルが絡み合い、ローズマリー、タイムなど各種スパイスともに口中へ運べば、たまらない幸福感が全身を包む。さっきは「和」だったのに、完全にイタリアン。何、この展開の見事さ。驚きしかない。
「これは、うちの間違いのない味です。食べれば必ず、リピーターになりますね。このオイルをバゲットで、一滴も残さずに召し上がる方が多いですね」
もう一つのオススメ、「小魚のカラっ揚げ」(1,000円)は、この日はキンキ。小魚と言っていいのかという大きさのキンキ2匹がカリカリに揚げられ、生野菜と一緒にテーブルへ。その身を頭からスプーンでグサグサほぐし、ポン酢ベースの特選タレに絡め、ネギやレタスと一緒に食す。何と小粋で、考え抜かれた逸品なのかと思わず唸ってしまう。
ストレートな刺身の揺るぎなく実力に痺れ、和からイタリアンという鮮やかな展開に、感動が込み上げる。海鮮でこれほどまでに、うれしいサプライズに出会あうとは! 魚料理の見事なハーモニーとしか、言いようがない。
自家製でサルシッチャ! 肉もタダものではない!
「地魚のハーブグリル」と双肩を成すオススメが、肉部門にある。それが「超粗挽き サルシッチャ」(1200円)だ。サルシッチャとはハーブを効かせたイタリアのソーセージだが、自家製のサルシッチャがまさか、ここで食せるとはなかなかない幸運だ。しかも、その豚肉が特別なのだ。
「富士山の麓で育つ、<朝霧高原豚>、通称LYB豚という三元豚を仕入れています。肉のキメが細かく、味も濃い。脂の融点が低いので、口中で脂が旨味に変わるんです。私たちはこれを、“口内調理”と呼んでます(笑)」
半頭買いするからこそ、腕、腿、バラの薄い部分はひき肉で仕入れ、赤ワインや各種ハーブ、ガーリックなどを混ぜて腸詰めに。長さは30センチほど、かなり極太のサルシッチャが香ばしく焼かれて、ドーンと目の前に。
何と、肉肉しいソーセージだろう。肉の味が濃く、塩味とハーブの絶妙なバランスに、一気にやみつきに。これはもう止まらない。付け合わせのカレー風味のレンズ豆が実にいいアクセントで、肉を食らったという多幸感が押し寄せる。
LYB豚はその日により、ローストポークやポークジンジャー、トンカツなどでも味わえる。さらに日によっては秋川牛のステーキや、東京シャモのたたきに出会うことも! それは、あなたのまさに幸運次第。
美味しい肉は間違いなく、人を幸せにしてくれることを実感できる店なのだ。
福生駅西口駅前のランドマークとも言える場所に一品、一品、驚きに打ち震える料理屋があった。ひたすら、この幸せを噛み締めるのみだ。
自慢のオリジナル料理を、存分に味わって欲しい
季節の食材を、唯一無二のオリジナル料理で
コンクリートの外壁に木材を打ち付け、屈まないと入れない茶室のような扉などユニークな外装、店内に入れば洋風なモダンな雰囲気が広がる。
現在地でのオープンは、2021年2月6日。だがコロナ禍ゆえ、佐々木さんは2022年の同日を、本当のオープン日だと考えているという。
佐々木さんは前店「魚屋忠兵衛」から移転するにあたり、名前を変え、あらかじめついているイメージを払拭することからスタートした。
「“じゃあ、とりあえず、ポテトフライね”というお客さまではなく、うちのオリジナル料理を求めていらっしゃる、お店にしました。なので、唐揚げとかポテトフライはメニューにありません」
佐々木さんは中華の料理人として、この世界に入った。高級ホテルの厨房から居酒屋の世界へ、雇われ店長を任された後、40歳で独立。それが前オーナーから受け継いだ前店だった。コロナ禍の最中に小さな店舗に移り、心機一転をかけたこの店を、佐々木さんは「うみかじ」と命名した。
「ダイビングをするので、よく沖縄に潜りに行くんですよ。海の中で、海の中にも風が吹いていると強烈に感じたことがあって、海風という名前にしようと。そのままではなく、沖縄言葉の“うみかじ”にしました。海の中の風をイメージできるようなお店にしたいと思っています」
料理は長年コンビを組んできた、料理人に一任。魚が得意な板長が、目利きをし、工夫を凝らして料理を提供するスタイルだ。料理長の腕が遺憾無く発揮されるワンプレートが、「今日の前菜盛り」(1,480円)だ。
この日は寒じめほうれん草のナムル、鶏の島唐辛子アラビアータ、人参しりしりラペ、菊芋の味噌漬け、キノコのマリネ、里芋+ふき味噌の6種が一堂に。美しく、多種多彩な味が楽しめるワンプレート。料理人の懐の深さを存分に感じさせる、前菜の盛り合わせとなっている。
一癖も二癖も趣向を凝らした、間違いのないオリジナルを
驚きは、もずく(650円)にあった。何気なく頼んだ一品だったが、ざるの上にバサッと大量のもずくが盛られ、鶏の天ぷらが入った温かな麺つゆにつけて、蕎麦のようにいただくのだ。出汁の効いたツユの旨みで、ずるずると、もずくを啜る。なんと意表をつく、気の利いた食し方なのか。すでに、驚きが止まらない。
この「漬けもずく」は佐々木さんが石垣島で見つけた、「これだ!」というもずくと、冷たいつゆで食べる沖縄スタイルにヒントを得た一品。贅沢なことに、旬のもずくがあるときだけのお楽しみ。その日のメニューで見つけたなら、迷わずに必食だ。
中華の料理人だった過去を彷彿とさせるメニューが、「海老の海老による海老ソース」(6本1,200円)。海老マヨだが、プリプリの海老がまとうマヨネーズソースがタダものではない。奥深く、程よい酸味と旨みが、独特の味と風味を醸し出している。添えられたパクチーが、実にいいパンチを効かせている。
「牛筋エアーズロック」(800円)はじっくり煮込んだ羽村の大根をエアーズロックに見立て、とろとろの牛筋とのマリアージュを楽しむ一品、「手羽先の唐揚げ」はピパーチという沖縄の香辛料で食べるなど、ネーミングも楽しい、他にはないここだけのオリジナル料理に、いくつもお目にかかることができる。
〆の人気は手こね寿司(1,500円)だが、スパイスチキンカレーやスパイスドライキーマカレー(1,000円)など、カレーを楽しみにしている客も多い。
迷うという、うれしい楽しみがここにはある。間違いなく、福生の外からの友人を招きたくなる店だ。さあ、今宵はいかように旬を楽しもう。