炭の香ばしさをまとった、個性豊かな絶品串焼き
クシヤキ イチリン フッサテン
串焼 いちりん 福生店
「落ち着いた空間と焼鳥」に自信があります
- 住所
- 東京都福生市福生878-7 天山ビル1F
- TEL
- 042-513-5258
扉を開けると、
清潔で落ち着いた空間が待っていた。
店主こだわりの焼鳥は、
上質な備長炭でじっくりと焼き上げる。
吟味した素材に下処理の確かさは、
一口頬張れば全てが納得。
女性一人でも気軽に立ち寄れる、
韓国ごはんも楽しめる、
隠れ家スポットが福生駅にある
-
炭火でしっくり焼かれた焼鳥を、ビールでキュッ。選び抜かれた塩が、それぞれ異なる部位の肉質の特徴をしっかりと感じさせる。味わったことのない部位をいただく楽しみがある
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清潔で、落ち着いた雰囲気の上質な空間。焼き鳥屋のイメージを一新させてくれる。このカウンターなら、女性一人でもくつろげる
-
きっちり唐辛子の辛味が効いている「スンドゥブチゲ」。甘ったるくなく、サラリとしたチゲは本場の味わい。やみつきになるスープだ
店長からの一言
大塚雪花さん
スタッフが全員女性ですので、女性お一人でも入りやすいお店です。落ち着いた店内の雰囲気も自慢で、ゆったり過ごせますし、一つ一つ丁寧に仕込みをした串焼は味がいいと評判です。どうか、一度、お立ち寄りいただければと思います。
基本情報
店名 | 串焼 いちりん 福生店 |
---|---|
住所 | 東京都福生市福生878-7 天山ビル1F |
電話 | 042-513-5258 |
営業時間 |
17:00~23:00(LO. 22:30) (月~土曜) |
定休日 | 日曜 |
駐車場 | 近隣にコインパーキング有 |
カード使用 | 可 |
URL | https://kushiyaki-ichirin-fussa.owst.jp |
ストーリー
限定“白レバー”は必食、目当ての客多数
オープンは2023年6月、2019年に羽村で誕生した串焼店の2号店だ。焼鳥屋でありながら、女性店主であることも驚きだが、「大好きだから、やめられない」とゴージャスなネイルで焼き台に立ち、串を焼く姿もなかなかの衝撃だ。
店主の大塚さんは、韓国出身。「日本の焼鳥と、日本酒が大好き」で一念発起、武蔵小金井の老舗店で修行し、自身の店を開いた。
「焼鳥は炭じゃないと、絶対にダメ。ガスだと、全然違う。うちでは、一番いい備長炭を使っています。毎日、12時半から仕込みをしていますが、これが大変。一つ一つ丁寧に下処理をして、新鮮な肉しか、うちでは使いません」
一番人気は「白レバー」、希少な部位だけに限定品。これを目当てにやってくる客も多く、すぐに売り切れてしまう。その白レバーを、師匠直伝の自慢のタレでいただく。そっと一口、口に含むや、ふわふわと驚くほどの柔らかな食感に驚いてしまう。ふんわりトロリとして、まるでフォアグラ? 臭みは皆無で、甘ったるくないサラリとしたタレとの相性も抜群で、「なんと、清らかな肉を食べているのだろう……」という幸せに、一気にすっぽり包まれる。
大塚さん自慢の「つくね」も、毎日、丁寧に仕込まれたものだ。これまでいろいろなつくねを食べてきたが、これがとてもふんわりとした、やさしい食感のつくねなのだ。コリコリとした軟骨の食感が楽しく、サラリとキレのあるタレが深みのある味わいを醸す。噛み締めるたび、炭の仕事の素晴らしさを思わずにいられない。炭火の香ばしさが、ふわふわのつくねを最高の状態に仕上げているのだ。
「オープンして3ヶ月ですが、結構、忙しいですね。焼鳥が美味しいと、口コミで探してきてくれる新規のお客さんが、常連さんになってくださっています」
“とりハツ”、“とりハラミ”など希少部位や、本格的韓国料理も
「ハツ」と言えば、豚肉だと決めてかかっていた先入観が、あっという間に崩される。鶏の「ハツ」は、小さな可愛らしいハートの形をしていた。
「ハツは、仕込みが大変。心臓に血管がいっぱいあって、それをきれいに取り除かないといけない。小さな部位だし、扱うのに神経を使いますね」
この“とりハツ”は、大塚さんおすすめの塩で。
「私は基本、塩で食べるのが好き。この塩、沖縄産で、師匠が最も焼鳥に合う塩だと選んだもので、それを、空炒りして使っています」
初めて食べる鶏のハツは豚のコリコリ感とは全くの別物でふんわりと、柔らかい。まろやかな味わいの塩が、素材の旨味を引き立てる。食べたことがない初めての食感に魅了され、一気にファンに。
“とりハラミ”も、大塚さんおすすめの塩でいただく。こちらは肉に力強い弾力があり、絶妙な塩気と炭の香ばしさが相まって、噛めば噛むほど、旨味が口中に溢れ出す。
“ふりそで”は何と、鶏の肩の肉だと言う。よく動かす部位だからか、歯応えが抜群、コリコリの食感がたまらない。
豚串はカシラ、豚バラ、白モツの3種。絶品だったのが、タレでいただく「白モツ」。カリカリに炭で焦げた周辺部分と、ジュワッと溢れる脂の二重奏は最高のハーモニー。「カシラ」は噛み応えがありながら、ジューシーでふんわり。
サイドメニューには粋なつまみが並ぶが、やはり大塚さんの故郷の味、本場韓国料理は外せない。「スンドウブチゲ」は韓国唐辛子の辛味をストレートに感じる、重くも甘ったるくない、サラリとした味わい。奥深い複雑さをもつスープに、リピート必至を確信。季節限定の「韓国冷麺」は、細めのツルツル麺が喉越し抜群、少し甘めで酸味が効いたスープによく絡む。これは、クセになる味だ。
手を抜かず、キッチリ仕事がされた串焼きの数々は、どれも個性豊かでさまざまな味わいを楽しませてくれる。そればかりか、本格的な韓国料理も味わえるという貴重な店が、福生にあることを喜びたい。
落ち着いた居心地のいい空間
乳飲み子と二人、新天地を求めて日本へ
大塚さんは、韓国生まれ。23歳で1歳半の息子を連れて、日本へやってきた。出国のきっかけは、離婚だった。看護学校に通っていた大塚さんは、20歳で医師と結婚したものの21歳で離婚。どこか新天地をと、思い浮かんだのが日本だった。弟が住んでいたので日本を旅行したことがあり、日本で息子と生きていく決心をした。
頼ったのは拝島に住んでいた、韓国の友人だった。当時、日本語は何もわからず、全てが一からのスタート。友人の母に息子を預けてスナック勤務を続け、32歳で資格を取ってエスティシャンへ。10年、エステの仕事をしてきたが、ストレスを感じるようになり、40歳の時に「大好きな焼鳥をやろう」と決意した。
「私、日本の焼鳥がすごく好きで、日本酒も大好き。じゃあ、好きなものを仕事にしようと決めました」
知り合いの紹介で、武蔵小金井の老舗焼鳥屋で半年、修行することにした。
「こちらから、お金を払ってお願いしました。大将はすごく厳しい人で、修行は本当に大変でした。師匠は、焼鳥は炭じゃないと絶対にダメだと。一から、全て仕込んでもらい、タレは師匠のレシピ通りのものです。塩も、師匠が選んだ、沖縄の塩。開店した時、わざわざ見にきてくれて、近所に挨拶してくれて、うれしかったですね」
ここで本物の焼鳥を徹底的に仕込まれたからこその、今の大塚さんなのだ。その味は評判を呼び、ついに今年、2店舗目を出すまでになったわけだ。
落ち着いた空間で、女性一人でも入れる店に
扉を開けると目に飛び込んでくるのは、清潔かつ上質な雰囲気のカウンターだ。大塚さんはじめ、スタッフは全員女性で、あたたか笑顔に迎えられる。女性が一人でくつろげるカウンターってなかなかないと、常日頃思っていたが、ここは違う。ここなら大丈夫だと、椅子に座って確信する。
串焼きでさまざまな部位を味わうのもいいが、野菜の肉巻きも見逃せない。「チーズピーマン肉巻き」はピーマンがシャキシャキで、チーズのコクと豚肉の旨味が口中いっぱいに。「トマト肉巻き」は甘みを増したトマトと豚バラの相性が抜群だ。肉厚のしいたけを串に刺し、炭で焼き、醤油だけで食す。シンプルでありながら、最高に旨い。
サイドメニューには大久保の韓国人の友人から取り寄せる、選りすぐりの「キムチ」や「チャンジャ」も。マッコリと一緒に味わえば、正真正銘の韓国飲みの出来上がりだ。
「焼き台に立って、お酒を飲みながら焼いている時が最高に楽しいです。お客さんからはよく、“大将”って言われたりします。若干、値段は高めですが、上質な備長炭と丁寧な仕込みのためには仕方がありません。おかげさまで、うちの焼鳥は味がいいって言われますね」
大塚さんの“焼鳥愛”が止まらない。韓国ルーツの女性店主が焼く焼鳥屋、日本の焼鳥界に新風を吹き込んでくれる予感しか感じない。