トマトソースの奥深く、コクのある味わいが、
心のこもった、真面目な仕事を物語る。
全てが手作り、
丁寧な作業はお客を思えばこそ。
父と母、娘、孫と3世代チームが織りなす、
絶品“家庭的イタリアン”にゾッコンだ。

市役所通り、市役所近くの角地にある。この扉の向こうに絶品イタリアンが
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たっぷりのきのこがうれしい「きのこハンバーグ」。肉の旨味が濃く、ファンが多い
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落ち着いたシックな雰囲気の店内。ゆったりと食事が楽しめる
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「渡り蟹のクリームスパゲティ」は、何日もかけて作るこだわりの出汁に酔いしれる
店長からの一言

熊田まゆみさん、村野あや子さん、村野英夫さん、熊田梨瑚さん
家族3世代で切り盛りする、アットホームな気取らないイタリアンです。ドレッシングからソースまで全て手作りで、美味しい料理を提供いたします。2024年7月に向かい側に移転し、広くなって店でゆったりお食事をしていただけるようになりました。個室のご用意もございます。ぜひ、お気軽にお寄りください。
基本情報
店名 | A'goo(ア・グー) |
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住所 | 福生市志茂207-3 大森ビル1階 |
電話 | 042-551-8060 |
営業時間 |
11:30~14:30 (L.O.14:00)17:00~22:00 (L.O.21:00) |
定休日 | 月曜 |
駐車場 | 5台 |
カード使用 | 可 |
URL |
ストーリー
迷いに迷う、お得な手作りランチ

サラダやソテー、パスタにガーリックトースト、デザートまで。ゴージャスな至れり尽くせりのセットだ
店内に入った瞬間、あたたかな雰囲気を身体に感じる。心地よいおもてなしと居心地のいい空間は、おひとりさまでも間違いなくゆったりくつろげる。
まず、ランチに利用したい。そのメニューの充実ぶりたるや、心から拍手だ。人気は、「アグーランチ」。プチピザ・プチスパゲティ・サラダ・ドリンクで1,408円なんて、破格すぎ。プチと言いながら、決してプチではない十分なボリュームだ。なんと言っても、ピザもパスタも一度に食せる「欲張りランチ」なのだから、満足感はハンパない。
お店イチオシの、「ランチ限定クワトロプレート」(1,958円)をいただいた。きのこたっぷりのトマトソースパスタに、ホタテの和風グリル、鴨のバルサミコソースがけ、グリーンサラダ、ガーリックトーストに、デザートはなんと3種盛り、そしてドリンクという、至れり尽くせりのゴージャスランチなのだ。
穏やかで奥深い味わいのコクのあるトマトソースに、ぐいぐい引き込まれる。やさしい味わいなのに酸味が立ち、麺と存分に絡み合う。
「トマトソースは、違う品種のトマトにハーブや野菜各種を加えて、2種類のトマトソースを作り、それを一つに合わせています。父のこだわりだと思いますが、コツコツとじっくり煮込んで作っています」
見えないところで、それほど手の込んだ作業が行われていることが驚きだ。手間と時間をここまでトマトソースに費やすなんて、お客を思う「心」がなければ不可能だ。だから、人をトリコにするのだ。
たかがランチ、ではない。細やかな仕事に貫かれた食を供してもらえるのだから、贅沢極まりないランチではないか。
お手頃価格にディナーで、ワイン三昧

ディナーの「アグーセット」。メインが選べるのがうれしい限り。何度でも利用したい
ディナーのおすすめは、2種の「セットメニュー」だ。前菜盛り合わせ、オリジナルサラダ、デザート、コーヒーは一緒で、「アグーセット」(3,608円)はメインをピザ、パスタ、ドリア、グラタンから、「マンマセット」(3,828円)はメインを鶏肉のトマト煮込み、ハンバーグ、きのこハンバーグ、チーズハンバーグから選ぶというものだ。
夜の楽しみはもちろん、お酒。白ワイン、赤ワインともグラス638円、カラフェ1,298円での用意がある。お好みでカクテル、まさかの焼酎も。
前菜はスモークサーモン、エビとオリーブのジェノベーゼサラダ、パーナ貝のチーズ焼きの3種盛り合わせ。バランスのいい構成だ。サラダは醤油ベースの和風ドレッシングのほどよい酸味が、生野菜をパリパリと行かせてくれる。メインは、「きのこハンバーグ」をチョイス。肉本来の素材を味わう、奇をてらうことのない“実直なハンバーグ”とでも言うのだろうか。ハンバーグ自体が旨味濃い、隠し味は何なのだろうと思わずにいられない。みずみずしいキノコの食感と香りも存分に楽しめ、醤油ベースのソースが全てを優しくまとめてくれる。肉料理の秀逸さに、オリジナルの「牛ステーキ」も「牛肉のカツチーズ焼き」もいつか、ぜひとも試したいと思う。
「うちのステーキは、とても柔らかくて美味しいですよ。」
それは品質的に間違いがないどころか、最高だ。アラカルトでは「ラザニア」が一番人気だと言うが、「アグー焼き飯」も「鶏肉のトマト煮込み」も試してみたい。黒板には、「おすすめメニュー」の数々も。パスタやピザだけではない一品料理の多彩さに、アグーの夜も存分に魅力的なことは間違いない。
3世代家族が紡ぐ、誰にも馴染みやすい確かな味を
自慢のパスタに悶絶、プロ中のプロの味

ポルチーニ茸がゴロゴロ。みずみずしい食感は驚愕だ
料理を作るのは主に、ピザ職人の修行からこの道に入って50年余という父の英夫さんだ。母のあや子さん、娘の熊田まゆみさんがホールを担うが、高校生から手伝っていた孫の梨瑚さんは、今や店には無くてはならない存在だ。まゆみさんが笑って話す。
「メニューも、みんなで考えます。家族なので、言いたいことが言えますから、ダメ出しがすごいんです。みんなの美味しさの基準が高いと言うか、だから、美味しくないものは出せないです。出しません。気取った店にはしたくなくて、家庭的なイタリアンですね」
家庭的と言いながら、「なんだ、これはー!」とのけぞったのが、「ポルチーニ茸ときのこのクリームスパゲッティ」(1,815円)だ。ごろっと大ぶりのポルチーニ茸がパスタの上にとゴロゴロと乗る。素晴らしい独特の香りが鼻に抜け、みずみずしいポルチーニ茸のジューシーな食感と両方が単横できるのだ。濃厚なクリームソースがまったりと麺に絡む。この夜、私は小麦アレルギーをかなぐり捨てた。リゾットは、ポルチーニ茸の旨味と香りを吸い込んだ米が、何とも格別の味わいを醸す。パスタとはまた違った味わいで、添えられた生ハムの塩味と共にいただけば止まらない。
自慢の「渡り蟹のトマトクリームスパゲッティ」(1,815円)は、蟹のエキスたっぷりの濃厚なトマトソースが太麺と絡み合い、手繰る手が止まらない。蟹は飾りじゃない。しゃぶって蟹の身に食らいつき、これは丸ごと蟹を味わうパスタだ。
「渡り蟹を1匹丸ごと、出汁に使っています。蟹のエキスにいろいろな野菜を入れて、何日もかけて出汁を作ります。父のこだわりですね。そうじゃないと、美味しくないからって」
「家庭的」とは言うけれど、家庭では決してそこまでのことはしない。全てに脱帽だ。手の込んだプロの味を、肩の凝らない家庭的空間でゆったりと食す。これぞ至福、それ以外の何ものでもない。
昔ながらのクラシカルなピザに老若男女、ファン多数

クラシカルなスタイルの自慢のピザ。年配者からは懐かしいという声も
ピザの基本はミックスかシーフードかを選ぶ、おまかせの特製ピザだ。これこそ、昔ながらの福生のピザと言うべき、具の上にチーズをたっぷり分厚くかけたクラシカルなピザだ。今風の薄焼きやサラダ風ピザも用意してあるが、年配者から熱烈な人気を得ているのが、このピザだ。お好みで、25種のトッピングが用意され、好きに選べるのも、福生のピザならでは。まゆみさんは言う。
「父が、若い時から修行してきたピザです。何種類ものチーズを混ぜていますし、もちろん、生地から手作りです」
横田基地周辺から西多摩に広がった、このスタイルのピザ。懐かしい味を求めてやってくる人も、初めて食べてリピーターになる人も多い。
あつあつを頬張れば、チーズの濃厚さに圧倒される。薄めの生地で重くはなく、濃厚なのに、ぺろっと一気に行けてしまう。チーズの下にはいろいろな野菜や具が隠れ、食べ応えも十分なコックリとした味わいのピザ。これは間違いなく、やみつき系だ。
「お年寄りからお子さんまで、誰にも馴染みやすい、家庭的なイタリアンがうちの味です。皆さんに気軽に来ていただけて、美味しいと喜んでいただければ、うれしいですね」
これこそ、家族3世代が願う、たった一つの思い。「家庭的」と言いながら、味はプロそのもの。そのあたたかな空間に入り込み、家族の一員になった思いであたたかな食を堪能したい。