美味なる酒肴に心あり、懐深き酒処

アジヤ キョウ

味家 京

「煮物」に自信があります

住所
福生市福生1015-1
TEL
042-530-7114

「料理とは、その人の心です」―、板前歴69年の店主は、きっぱりとこう言い切った。「大将のやさしい味を知ってほしい」と寄り添うのは、恋女房の京子さん。旨し酒に、名酒菜、あたたかな心づかいに満ちあふれ・・。珠玉の居酒屋が、足元にあった。

(店名)

●仕出し弁当(10個以上から)あり。要予約。1,000円~。  二段、三段弁当も。予算、お好み、相談可。

●春は「たらの芽まつり」、秋は「カツオまつり」など、季節のイベントを実施。  冬の最大の楽しみは、「ぶりまつり」(クリスマス前後、要予約)。 金沢・近江市場直送、富山・氷見の寒ぶりを、ぶり大根、照り焼き、刺身で食す。3,500円。毎年、大盛況。

●食事だけでも、お気軽に。うな重1,800円、お茶漬け、茶そば500円。おにぎり、鉄火丼などの丼もある。

●裏メニュー、「合鴨ロース煮」(1,000円)には根づよいファン多数あり。「いかわたホイル焼き」(600円)は酒飲み絶賛の人気メニュー。

  • 端正な檜のカウンター

    嘉泉、澤乃井、多慢自慢と西多摩の地酒も楽しめる。とりわけ、澤乃井の充実度は特筆もの。

  • 端正な檜のカウンター

    ランチメニューのひとつ、まぐろ中おち定食、1000円。自由に選べる小鉢は筑前煮、小松菜の胡麻和え、玉子焼きをチョイス。

  • 端正な檜のカウンター

    お造りの仕上げに余念がない店主。職人の顔だ。

店長からの一言

店主 阿部三千男さん、京子さん

阿部三千男さん、京子さん

魚あり、肉あり、焼き物、煮物、何でもお好みでお召し上がりいただけます。産地にこだわり、吟味した季節の旬の素材を、心をこめてお出しします。一年中、何か煮物を作っていますが、とくに煮物と吸い物は、どこにも負けない自信があります。どうか、お気軽にご来店ください。

基本情報

店名 味家 京
住所 福生市福生1015-1
電話 042-530-7114
営業時間

11:30~14:00

17:00~23:00

定休日 日曜
予約の場合は承ります
駐車場 近くに有料駐車場あり
カード使用 不可
URL

ストーリー

包丁握って68年、料理人の矜持に貫かれた店

これが自慢のだし巻き玉子、500円。一度ぜひ、賞味あれ。感激の逸品だ。

これが自慢のだし巻き玉子、500円。一度ぜひ、賞味あれ。感激の逸品だ。

店主・阿部三千男さんは必ず、白衣にネクタイという姿で客の前に立つ。昭和25年、銀座の一流割烹からスタートした、料理人としての矜持がここに如実に現れている。寡黙で多くを語らない職人肌の店主が、「料理とは、その人の心、しかないんです」と教えてくれた。心とは、相手を思いやること。その気持ちがあって初めて、料理は成り立つのだと。
だから、まず素材を吟味する。四季折々の野菜や魚介類は、経験に裏打ちされた確かな目で、厳選されたものばかり。採算度外視し?と思えるほど、そこに妥協はない。
イチバンの楽しみは、毎日のおすすめメニュー。この日は「特大 岩ガキ」(1000円)、「川ハギ刺身 肝つき」(1500円)、「白子」(800円)等々、酒呑みの勘所をしっかり押さえた垂涎の肴がズラリ。定番の人気メニュー「だし巻き玉子」(500円)は、驚きのボリューム、ふわふわ、しっとりの味わいは感激ものだ。運がよければ、裏メニューに遭遇も・・。
極上の多種多彩な酒肴に、伴走するのは選りすぐりの銘酒たち。杯を重ねつついつしか、「いい居酒屋を知ることは、大事な財産なんだなぁ」という真理に行き着くのであった。

誰でも、すぐに常連に

ランチタイムは圧倒的に女性に人気。「美味しくて、キレイで、バランスもよくて、毎日でも来たいです」と絶賛の嵐。

ランチタイムは圧倒的に女性に人気。「美味しくて、キレイで、バランスもよくて、毎日でも来たいです」と絶賛の嵐。

オープンは平成9年。「大将のやさしい味を、皆さんに少しでもわかってほしくて・・」と、ママ=京子さんの強い思いゆえのことだった。そして店の名は恋女房の名前から・・。
店内は全体が畳敷きの空間で、のれんをくぐるとまず玄関で靴を脱ぐ。まるでどこかの家にお邪魔するかのよう。常連さんたちは一様に、「まるで家に帰ってきたような・・」「ほっとできる家庭的な店」と口にするが、もちろん、京子さんの明るい笑顔あってのこと。居心地がよくて、「誰でも、すぐに常連になれちゃう」という懐の深さこそ、大きな魅力だ。 
開店当初から行っているランチタイムは、メインメニュー以外に小鉢3品が選べ、デザート、コーヒー付きで1000円。破格のサービスに、「心」を感じざるを得ない。「大将の煮物は、本当に美味しいの」と、しみじみと京子さん。その店の味は、煮物でわかるというのもまた真理。ならば、至福の楽しみが、ここ福生駅前に待っているということだ。

今宵、「京」で会いましょう

15歳からの板前修業

こんな感じで、日本酒はいかが? お造りはマグロ、いわし、わかし。天ぷら盛り合わせ(1200円)、松茸土瓶蒸し(1000円)、加茂なす鳥そぼろ(600円)。

こんな感じで、日本酒はいかが? お造りはマグロ、いわし、わかし。天ぷら盛り合わせ(1200円)、松茸土瓶蒸し(1000円)、加茂なす鳥そぼろ(600円)。

店主・阿部三千男さんが両親の反対を押し切って、料理人の世界に飛び込んだのは弱冠15歳、時は昭和25年のこと。銀座5丁目のうなぎ割烹「竹葉亭」から、阿部さんの板前人生はスタートした。本店は創業500年の格式ある老舗。3畳間に4人で起居する住込み生活、2年間、雑用を何でも行う「追廻」として、「涙が出るほど」苛酷な板前修業の日々だった。

4年後、料理人の三役である「焼方」として、銀座の高級料亭「ゆうぎり」へ。ここで人生の師匠ともいうべき、「日本で5本の指に入る親方」と出会う。「料理とは、心」という、一生、胸に刻む教えや、さまざまなことを親方から学んだという。

その後、腕を磨くために渡り歩いた店は4件。58歳で京子さんと出会ったことが大きな転機となり、62歳の春、京子さんゆかりの福生の地に初めて、自分の店を開いた。

素材を吟味するということは・・

右から「久保田」(新潟)、「〆張鶴」(新潟)、「出羽桜」(山形)、「極上 吉乃川」(新潟)、「ぎんから 澤乃井」(東京)と自慢の日本酒たち。他に「浦霞」(宮城)、「生長」(奈良)など多数。

右から「久保田」(新潟)、「〆張鶴」(新潟)、「出羽桜」(山形)、「極上 吉乃川」(新潟)、「ぎんから 澤乃井」(東京)と自慢の日本酒たち。他に「浦霞」(宮城)、「生長」(奈良)など多数。

「茨城産の、この三つ葉が出ないと土瓶蒸しは絶対にやらない」と店主。年中、出回っている三つ葉ではアクが強すぎるのだと。あるいは里芋、「これから新潟、福井産が出てくるから、もっとねっとりしてくるよ」と。じゃがいも、かぶ・・、店主の頭には一体、いくつの野菜カレンダーが入っているのだろう。それは、50年の経験ゆえ可能なことなのだ。 
休日には二人で、素材を探しに各地を訪ね歩く。勝浦港には独自のルートを開拓、漁船が戻る午後3時頃に電話で水揚げの様子を聞き、翌日朝10時には注文したものが店に届くという。あるいは寒ブリは富山・氷見産しか使わないから、金沢・近江市場から直送する。
魚も野菜も、職人の目利きで選んだ、その時期の最高のものしか使わない。これが「素材を吟味する」ということの中身であり、実直なまでに心をこめる「京」の日常だった。そうか、この空間に漂う、ゆったりとした居心地のよさは、お客を心底大事に思う、店の懐の深さゆえのことなのだ。だからこそ・・、さあ、今宵、「京」でお会いしましょう。

クーポン・地図

クーポン情報

ドリンク1杯サービス(1名様または1グループにつき1杯)

※有効期限2025年3月31日
※他のサービスとの併用は出来ません。

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