日本初!酒蔵ゲストハウスで、 体験型ステイを楽しもう
シュボウ タマジマン
酒坊 多満自慢
「笑顔とホスピタリティ」に自信があります
- 住所
- 福生市熊川1番地11号(石川酒造敷地内)
- TEL
- 042-513-7448
黒塀に囲まれた端正な木造建築は、
酒蔵に相応しい情緒ある佇まい。
福生だからこそ可能な楽しみを提供する、
体験型ゲストハウスが、石川酒造に誕生した。
まずは、ランチに出かけてみよう。
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瓦を両側に埋め込んだエントランスは、まるで瓦の道。門をくぐった瞬間、非日常の世界へ
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端正な造りの和室。二人用の部屋が3つ用意されている
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ランチすべての供される、前菜盛り合わせ。木箱に美しく配置された一品一品は、丁寧に 調理されたものだとわかる
店長からの一言
石川文也さん、青葉翔(右)さん
「酒蔵に泊まる!」といった非日常をカジュアルに楽しめるゲストハウスです。日本酒の文化に触れ、西多摩の大自然を満喫でき都心では味わえないゆっくりとした時間をお楽しみいただけます!レストランではランチのみの利用もでき、さまざまなイベントも開催しております。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
基本情報
店名 | 酒坊 多満自慢 |
---|---|
住所 | 福生市熊川1番地11号(石川酒造敷地内) |
電話 | 042-513-7448 |
営業時間 |
9:00~22:00 (日曜・祝日は13:00から) |
定休日 | 定休日なし |
駐車場 | 有り |
カード使用 | 可(お問合せ下さい) |
URL | https://www.shubou-tokyo.jp/ |
ストーリー
石川酒造で、B&Bの酒蔵ステイを
日本庭園の背後にある端正な木造建築の扉を開ければ、開放感あふれる吹き抜けのロビーが待っていた。白壁と木目を生かした、日本建築ならでの情緒漂う空間だ。石川酒造の敷地内でありながら、どこか避暑地を訪ねたような小旅行感覚に襲われる。
宿泊は2人用の和室が3部屋と、男女それぞれのドミトリータイプの部屋にはプライバシーが守られるカプセル型ベッドが設らえれ、男性専用が16室、女性専用が12室用意されている。カプセルとはいえ侮るなかれ、木製の枠組みが落ち着いた雰囲気を醸し、高さもたっぷりあり、窮屈感や閉塞感はまるでなく、ちゃんとくつろげる空間となっている。
基本的にB&Bスタイルで、簡単な朝食がつく。ランドリーも完備、ロビーには電子レンジやケトル、オーブンが用意され、お客が自由に使うことができる。
オープンは2021年7月、オーナーの北村公克さんは醸造機器を扱う「北村商店」の社長だが、当初はインバウンド需要を見越して、日本初の酒蔵ゲストハウス1号店を石川酒造に建設した。
「日本酒の国内需要が伸び悩む中、外国人観光客に伝統ある酒蔵に宿泊してもらい、本物の日本酒と料理を提供し、日本文化を体験してもらうことで、日本と日本酒のファンを増やす狙いでしたが、コロナで完全に目論見は崩れましたね」
コロナ禍で外国人ではなく、日本人がお客となってのスタートとなったが、北村さんは福生に新たな可能性を秘めた拠点を作ることができたと確信している。
「ここは宿泊者が重い思いに過ごす、体験型ゲストハウスです。いろいろなイベントも用意していますし、福生だからこそ、奥多摩や秋川、横田基地などへのさまざまなマイクロツーリズムが提案できると思っています」
吹き抜けのロビーにあるレストランでは石川酒造の日本酒やビールとともに、西多摩の食材を使った料理の実費で楽しめる。こうして日常生活では出会えない人たちが出会い、繋がり合うことができるのだ。このような新たな場が地元にできたことは大きな喜びだ。
ジモティーにとっては非日常を味わえる、憩いの場
地元の人間にとってうれしいのは、ランチなら宿泊者でなくても利用できるということだ。軽井沢に行ったかのような小旅行感覚で、窓の向こうに広がる庭園の緑を愛でながら、開放感あふれる吹き向けの空間でいただく食事は格別だ。
最初に供されるのは、木箱に美しく守られた季節の前菜5種。この日は生野菜のサラダ、ローストビーフ、ナマス、キノコと春菊のお浸し、手作り豆腐が目にも鮮やかに並び、箱を開けた瞬間、小さな叫びが漏れる。どれも丁寧に作られていることが口に運ぶたびに実感できる。
レストラン「Kitchen&Bar田の実」のランチのメインは3、種。通常は「奥多摩山女の漬け丼」なのだが、ヤマメが獲れない冬場は「アジ丼」を提供。新鮮なアジの刺身が贅沢にも、薬味どっさりの丼でいただける。とりわけ年配者に人気というのが、ボリュームタップリの「ミックスフライ定食」だ。アジフライはふっくらふんわり、カニクリームコロッケの濃厚な甘さ、大葉とチーズを巻いたささみフライはサ鶏肉と大葉やチーズのマリあー字を、サクサクのフライで味わえる逸品。寒い時にうれしいのが、「彩り野菜と塩麹鶏鍋」だ。とろとろの野菜と塩麹に漬け込まれた鶏肉の旨味、白湯ベースのスープの奥深さに、箸が止まらない。全てに豚汁がつき、1,980円というのはありがたい限り。
支配人の首藤さんによれば、野菜は基本、近隣の比留間農園の無農薬野菜を使用しているという。
「可能な限り、地元の無農薬野菜を使うようにしています。かなりの方がリピーターになってくださっていますね。居心地が良く、ゆったりと食事が楽しめると言ってくださいますね。残念ながら、まだまだ認知度は低いのですが」
日本文化を幅広く伝えることも目的の一つであるゆえ、茶道体験ができる「お抹茶体験イベント」を週2回開催、何と21歳男子がお茶を立ててくれると言う。12月から春先までは、庭で「テントサウナ」も。仕込み水の水風呂で整うことができると言うのも、酒蔵ならでは。
まずは、ランチから出かけてみてはいかがだろう。地元にこんな素敵な居場所があることを心から実感できるに違いない。
酒蔵で本物の日本文化に浸る、体験型ゲストハウス
日本酒の生き残りをかけた、起死回生の場として
「酒坊」とは文字通り、お酒が飲める宿坊のこと。北村さんが酒蔵に、外国人観光客のためにゲストハウスを作ると一念発起したのは、日本酒の売り上げの落ち込みに起因する。日本酒業界が元気でないと、北村商店も困るからだ。
「原因は高齢化と若者のアルコール離れですが、人口増加が望めない以上、酒蔵が生き残っていくためには輸出しかない。インバウンドで来てくれた外国人に、本物の和食と日本酒を伝統ある酒蔵で提供して日本ファンになって帰っていただければ、海外で日本酒の需要が増えるだろうと思ったのです」
コロナ禍でインバウンドの外国人の来日はまだ難しいが、日本人の宿泊者を対象に体験型ゲストハウスとして、さまざまなアイデアを持っている。まず、この福生という立地を生かして、奥多摩・秋川渓谷などの自然エリア、横田基地のアメリカンエリア、そして近隣の文化体験などのマイクロツーリズムを提案している。拝島駅なら奥多摩方面も檜原村方面も、どちらも選択できる利点もあり、都内在住者にとってはまさにベストポジションだ。
毎週土曜と金曜には、宿泊者限定の「SAKE PARTY」を開催、宿泊者同士がお酒を飲みながら交流できる場となっている。通常のホテルや旅館だと家族やグループで「閉じて」過ごすのが常だが、ここでは真逆だ。人と人が出逢えるゲストハウスの良さを、とっぷりと体験できる。
酒蔵ゲストハウスで、大人の修学旅行はいかが?
コロナ禍という逆風の中での船出。支配人の首藤さんは、人の出入りが制限される事態にもどかしさを抱えてきた。
「もっと、ここでいろいろなことができるのに、楽しんでもらえる企画があるのにと。思う存分、みんなで楽しめる状況になってほしいと思います」
実際に、利用してくれた人たちの評判はとてもいい。それが、大きな支えだ。
「居心地がすごくいいとおっしゃる方が多いですね。安心して飲めるのもいいと。朝イチで低山登山を楽しむ方の利用も結構あるのですが、立地がいいとおっしゃいます。福生病院の看護師の方で、家が遠いので、泊まり込みで論文を書かれた方もいましたね」
スタッフとの距離が近いことも大きいのではと、首藤さん。夜はレストランでスタッフと談笑しながら、食事とお酒を楽しむのが酒坊多満自慢の夜だ。地元の人間でも仲間と一緒に宿泊すれば、大人の修学旅行のような楽しさがきっと味わえる。旅館ほどかしこまらず、しかも交通費がかからずに、気の合う友人と一晩、時間を気にせず飲食できるのは間違いなく楽しい。
酒蔵ならではの体験企画も、いろいろ考えている。その第一弾が米麹で作る「生化粧水づくり体験」だ。
「米麹を糖化して作る化粧水ですが、アミノ酸と麹酸の力で美白効果が高く、保水力も高いんです。出来上がるまでランチを食べていただき、出来上がった化粧水を付けていただく。一度ベースを作ると、あとは米麹を買うだけで常時、化粧水が作れるので、とてもいいイベントだと思っています」
女性にとって、こんなうれしいイベントはない。さまざまな可能性を秘めた酒蔵ゲストハウス。その“始まり”がここ福生、石川酒造からだったことを改めて、誇りに思う。地元民として、楽しく利用しない手はない。