お店訪問
まるで喫茶店か、美容院?

ガラスから光が降り注ぐ、開放的な空間。銀座通りとの一体感がいい。
こだわり抜いた、アパレル業界と同等の仕上げ
クリーニングで白い服が変色したという経験は、少なからずあるだろう。これは汚れた溶剤が原因。「溶剤管理はクリーニング技術の大きなポイント。手間がかかって大変ですが」と森田さん。「いかにきれいな状態で溶剤を循環させるか、うちではこの技術を頑固に守り続けています」と胸を張る。汚れが見えにくい黒い衣類でも、決して手を抜かないという。
お客から見えない工場にこそ、森田さんのこだわりが生きていた。コストはかかるがドイツの洗剤を使用するのは衣類へのダメージが少なく、新品に近い状態にもどす力をもち、かつ環境への配慮に優れた、「アクアクリーン」にこだわるからだ。クール&ドライのファイトアイロニングシステムによる仕上げは従来とは一味もふた味も違う本当の品質を実現したため。
どこまでも誠実に「納得のいく仕事」を貫く、大量生産ではない「町のクリーニング屋さん」が健在な街に住んでいることを、心から喜びたい。

ワイシャツのハンガー仕上げ。「きれいになるととても気持ちがいい」と従業員の女性。










外観から察するに、とてもクリーニング店とは思えない。扉の向こうに広がるのは、白壁に赤松の梁が印象的な、ナチュラルな空間。壁にかかるは郷土の画家・栗原一郎画伯の絵、受付はマーブル柄が優美な大理石のカウンター、テーブルに椅子もしつらえられ、まるで喫茶店か、美容院だ。
「お客さまにお越しいただくわけですから、ちょっと息抜きができるお店があっても・・」と店主の森田さん。15年前からこのスタイルというのだから、斬新さが際立つ。この空間作りはまさに「お客さま本位」という信念の象徴だ。
同時期、森田さんは「お客さまをお待たせしない」独自の方法を考案、電話番号で顧客管理ができるレジも特注した。「お預かりした品物がどこに行ったかわからない、それで待たせるなんて商売じゃない。ましてや無くなったなんて」と。
大量生産ではなく、森田さんは「目が行き届く仕事」を基本に据える。「喜んでもらえるのが一番大事ですから」と。