福生的中華食堂50(フィフティ)
- 住所
- 福生市東町2‐1 五十番ビル4F
- TEL
- 042-551-4362
お店訪問
“奇跡のレバニラ”、ここにあり
多彩なバリエーション、中華の醍醐味をとくと堪能あれ
ナンバー2の人気メニューは、「車エビの特製マヨネーズ・サラダ風」(1554円)。下味をつけたエビを卵白+片栗粉で揚げ、とろっとろのこってりまろやかなマヨネーズソースをたっぷりからめる。サクサクに揚げたワンタンの皮と生野菜と一緒に、香ばしくアツアツのエビを頬張れば、ああ、生きててよかったと心から思う。リピーターが多いというのも至極当然、腹の底から納得だ。
「五目野菜のうま煮」(1029円)に、中華の王道を見た。一つ一つ素材を生かしたシャキシャキの食感と、香り高く奥深いあんのハーモニーにいつまでも酔いしれたいと心底思う。こっくりまろやかな、やさしい味わいのあんは、もはや芸術品だ。
驚きは、「50的酢豚」(945円)にあった。大胆にも、分厚い豚の一枚肉をカラリと揚げる。カレー風味のアクセントが効いた豚肉は、厚みがありながら柔らかくジューシー。絶妙な酸味の甘酢との相性が抜群、こんな酢豚があったのかと目からウロコの一品だ。
あるいは、下味をつけて蒸した鶏肉を高温で素揚げした「若鳥のパリパリ揚げ」(924円)。皮目はあくまでパリッと香ばしく、ジューシーでしっとりした鶏肉にこれでもかと旨味が凝縮、サラリとした繊細な薬味ソースと混然一体、鶏好きでなくとも即効ノックアウトだ。
平成5年のオープンから、「やっと思っているメニューに辿りついた」と須田さん自慢のラインナップは、何を食べてもため息もの。脂っこいはずの中華なのにさっぱり、爽やかな後味は、「いい植物油を使っている」から。化学調味料を極力抑えているのも、胃もたれしない理由だという。
きちんとした食材や調味料を使っているため、赤ちゃんでも食べられる“安心中華”。しかもお手軽価格だ。福生の夜景を見降ろしながら、甕出し紹興酒をクイッと行けば、これぞ至福。
さあ、福生駅前で極上の楽しみに浸ろうではないか。










実は熱を通したレバーが苦手で、「レバニラ」に関してはこれまで一度も注文しようと思ったことすらない。店主の須田さんから「ウチで一番出る」と言われ、恐る恐る口に運んだ「レバニラ」は、どんなものとも違っていた。飛び出た一言は、「ああ、うまっ!」。箸が次へと進むことに、我ながらビックリ仰天。薄切りのレバーはカリッと香ばしく、ふわっと口中で溶け、臭みは皆無。いや、むしろ後味爽やかといっていい。醤油ベースのタレは奥深く複雑でこのまま飲み干すか、ご飯に汁をぶっかけてかっ込みたいという衝動がこみ上げる。何と清らか、これぞ、奇跡のレバニラではないか。
ここに、「50」の全てが象徴されていえるのかもしれない。まず、こだわるのが食材だ。国産の生のいいレバーを吟味して、紹興酒できっちり血抜きをし、片栗粉で素揚げをしてカリッと7分目まで火を入れ、ニラと一緒に一気に油通しをして炒め上げる。
「中華は、仕込みが命。食材の切り出しもきっちり同じに揃えないと、火の通りが違ってくる」と須田さん。 ゆえに材料の作り置きは一切、しない。注文を受けて、一から調理にかかるのが開店以来、変わらぬ基本だ。チャーハンのネギでさえ「なるべく切ったばかりの、新鮮なものがいい」と、野菜を切るところから始めるのだ。
須田さんは「当たり前のことですから。多少、待ってもらうことになりますが、美味しいものを提供したい」とにこやかに笑う。一切の手抜きを排した基本に忠実な仕事が、お客からは見えない厨房で注文が入るたびに行われている。
たかが「ニラレバ」ではない、ここに“奇跡”が宿るのだ。