お店訪問
あたたかな出会いの場を目指して
ひとよ特製・福生ドッグ(ネギ味噌、480円)
名物は、韓国肉じゃが"タットリタン"
料理の基本は、「あったかい家庭料理」と星野さん。だからジャンルにこだわらず、何でもある。そもそも家庭料理とは、そういうものだから。
一番人気は「ごまキャベツ」と「塩昆布キャベツ」(300円)。ごま油と塩でシンプルながら、キャベツがバリバリ食べられちゃう一品。羽村の名店「魚八水産」おススメの、その日の魚も人気メニュー。「ひとよ」のために取っておいてくれる、「マグロのアゴ刺」(400円)には正直、びっくり。見た目はまるで、馬刺し。これをごま油と塩で食せば、「え? 生肉?」としか思えず、わさび醤油で食せば、「ああ、マグロだ」と妙に納得する。臭みは全くなく、毎回、絶対に頼みたい一品に。「ブロッコリーをおかかと熱々ごま油で」(450円)は、家庭料理の面目躍如。ブロッコリーをこう出すかと、うなってしまう。
居酒屋定番メニューが並ぶ中に、異彩を放つ「タットリタン」(500円)。韓国のオフクロの味、韓国版肉じゃがだ。鶏肉を使うのが特徴で、コチュジャンがピリリと効いて、素朴であたたかく心にしみる一品。他じゃなかなか食せない「ひとよ」ならではの名物料理も、星野さんはちゃんと用意していたのだ。
さあ、メニューを列記して、あることに気づくだろう。それは、破格の安さだ。500円で、"高級メニュー・ランク"に入るから泣けてくる。「安く飲めて、おしゃべりが楽しめるのがイチバンでしょ」と、星野さんはお茶目に笑う。銀座通りに、避けて通れない寄港地がしっかりできてしまったではないか!











外観は和を基調とした、一見、小料理屋。敷居が高そうな感じもするが、通りに面して開かれた扉が、気取らない店であることを告げている。オープンは2009年5月。「お客さまが、なるべく入りやすいように」と、店主の星野光さんは敢えて、入り口を開けっぱなしにした(冬はもちろん、閉めているのでご安心を)。照明を明るくしたのも、暖簾をくぐった人たちがゆったりとくつろいで、おしゃべりを楽しんでほしいから。 「この店で、みんなが出会えるといいなぁ。そういうお店にしたい」と、まなざしはあたたかく、そして明るい。
だから店の名前は、「ひとよ」しかあり得なかった。多くの友人の支えがあって、船出できた店ゆえ、星野さんの胸には感謝の思いがあふれていた。「人間ってすばらしい。友達っていいなぁ、ありがたいなぁ」という、人への思いを素直に店名に託したのだ。
店を切り盛りするのは星野さんはじめ、女性たちばかり。その日の「あきちゃんの煮物」(400円)というメニューが象徴する、ほっこり感。そして華やかさに、和やかさ。女性の店ならではの安心感と気楽さが、最大の魅力である居心地の良さにつながっているのだ。