薪釜屋Rookie(ルーキー)
- 住所
- 福生市武蔵野台1‐5‐37
- TEL
- 042-553-0401
限りある時間を、最高の瞬間に・・・
今、話しかけないで

みんながここで、友達になれる店に
薪釜に、ピザを入れた後、時折、長い板の上に乗せて、生地を持ち上げたり回転したりするのは、焼き加減を微妙に調整するためという。驚きは、「ホットサンライズ」の焼き上げだった。ピザの中央に黒オリーブで丸く仕切りを作るものの、生卵を割り入れて焼くのだ。卵が崩れて流れても、黄味がカチカチになっても客には出せない。生卵がフルフルと揺れる生地を、高野さんは持ち上げたり、回転させる。見ている側は、ハラハラドキドキ。まさに、熟練の技! ほどよい半熟状態に焼き上げられたピザに、思わず拍手喝采だった。
「8割までは、誰でも3カ月で習得できます。その先の2割が、僕の場合5年かかりましたね。いや、100という完全に近づけるには一生、努力していくしかないですね」と高野さん。もちろん、薪の扱いも非常に大切だ。季節や温度など微妙な条件により、火のつけ方、火加減も異なるという薪を自在に扱う技術は、一朝一夕で身につくものではない。 「Rookie」という名は、「YOSHIZO」のボスが命名した。新米であることと、初心を忘れずに、という意味を込めてのことという。「"YOSHIZOのライバルはRookieで、RookieのライバルはYOSHIZOでありたい"とボスと話しています。もちろん、ここに自分のカラーも出して行きたいですね」と、2年目の今、思うことは多々。YOSHIZOにはないピザが既に3種あり、今後、いろいろなお酒と、それに合う酒肴も出していきたいと。「ゆっくりくつろいで食事をして、楽しい時間をここで過ごしていただきたいんです」と、高野さんの目標は料理だけでは終わらない。だからモットーを、<限りある時間を、最高の瞬間に>にしたのだ。「家族でも恋人でも友人でも、パートナーだけ、選んで来てください。あとは、こちらにお任せを・・」と、お茶目に笑う高野さん。気持ちのいい笑顔こそ、店に流れるあたたかい空気そのものだ。うん、今度は、誰と一緒に行こうかな。











小学生の頃から、「料理が好きだった」高野さん。高校卒業後、「大事な人に作って、食べさせてあげたい」という思いから、フランス・イタリア料理専攻の専門学校へ1年通い、19歳で、月島にあるイタリアンレストランに入ったのが、料理人としての始まりだ。「全体の仕込みの、その前の仕込みを一人でやってました。一番下ですから。それをやりながら、ピザとパンを担当」という日々を2年弱過ごす。「仕事への気持ちの向き方を、しっかり教えてもらいました」と高野さんは振り返る。
. 月島から「YOSHIZO」へと、人生の針が動いたのは、21歳での結婚、そして子供の誕生だった。地元の河辺に戻り、一時は料理を止め、会社員になることも考えた。そこに偶然、「YOSHIZO」の求人広告が舞い込む。 「ボスとの面接で、心が決まりました。料理人は独立しないと厳しいよと、先のことまで考えてくれて」と高野さん。働き始めて、最初の3カ月の記憶はほとんどない。「ピザを釜に入れて、焼きあがるまでの1分20秒。バイトの女の子から話しかけられても、『今、話しかけないで』。しゃべりながらできる作業なんですよ。でも、頭はいっぱい、いっぱい」と高野さん。妻子の生活が一身にかかっていた。ゆえに、覚えるのに必死だったという。