黒毛和牛に魅せられて~本物の肉の美味しさを、多くの人に届けたい
情熱を傾けられる"肉"で、居心地のいい店を

これが黒毛和牛の最上級「極上サーロイン」。分厚く切って供せられる
メニューの真ん中に黒毛和牛、5年かけて辿り着いたタレも絶品
たとえば、極上サーロイン(3980円)。「A5のオスより、A4のメスの方が美味しかったりする」そうで、長年培われた肉のプロの目利きで、その日仕入れた肉の最上品が分厚く切られ提供される。 とはいえ、「上は頼まなくていいよ、普通のカルビだって十分美味しいんだもん」と吉村さん。但馬のA5使用のカルビが980円なんて、ビンビンに店の良心を感じるではないか。メニューには「極上焼き」が設定されているが、最高級の肉を使用するのが基本のため、その「上」となると、「ものすごいものに、あたった時だけ。だから、年中欠品だよ」って、食べられたら、超ラッキーなのだ。 吉村さんが5年かけて辿り着いたという、タレがスゴイ。この秘伝のタレをベースに、「肉の質、お客さまの年齢により、甘みや塩加減等、調整します。肉本来の素材の味がわかるよう」と吉村さんの心配りがスゴイ。すべて注文を受けてから、肉にもみこむ。カルビとロース、ハラミではそれぞれ、もみだれの調合も異なっている。だから、ウマイ。だから「霜降り和牛を、もみだれで」を謳うのだ。 石焼きビビンバ、冷麺などの食事もの、ユッケ、生レバー、生タンなどの刺身、サラダ、キムチ、ナムル、チゲなど、メニューの充実ぶりにも驚かされる。韓国焼酎やマッコリのみならず、錚々たるワインのラインナップもうれしい限り。さあ、今宵は、家族みんな(中坊男子は、事前にどんぶり飯が必須かも。肉の旨さに暴走の危険大だから)で焼肉だ~!

上タンにナムル、そしてレバ刺し。サンチュやごまの葉で包んでどうぞ。デザートの手作りアイスクリームも人気










吉村さんは、昭和34年創業のお肉屋さんの2代目だった。焼肉店「土筆坊」を始めたのが、平成7年。かなりの繁盛店だったが、その力を請われ、5年間、イタリアンレストランの支配人としてマネジメント業務にも携わった。引退も考えた吉村さんに、もう一度、自分で店をやりたいという強い思いが湧きあがった。
やるのなら、"肉"だ。自分が情熱を傾けられるもの、黒毛和牛だ。吉村さんはこれまで何度も、全国各地の生産者の元を訪ね歩いていた。真面目に一日も休まず、牛に心を砕く生産者の思い、情熱をもっともっと地域に広めたい、そして大人がくつろげる居心地のいい店を作りたい――、心は決まった。
吉村さん自身、肉のプロではあるが、牛を育てるプロではない。ゆえに長年付き合いのある、真面目な食肉業者と一緒に産地・生産者を選んだ。黒毛和牛は最終的に宮城県に絞り、同様に「薩摩地鶏」「さつま黒豚」と、名匠と呼ばれる生産者が育てたものを提供する。一部、内臓肉で外国産も使うが、美味しさを重視し、最高級とされているものを選ぶという心配りだ。
ステーキやしゃぶしゃぶではなく、焼肉という業態を選んだのは、価格を抑えることができるから。できる限り気軽に、多くの人に楽しんでほしいという思いゆえなのだ。