お店訪問
目からウロコ、口からは感嘆符のみ

創業30年、昔ながらの味もちゃんと健在
確かに、イマ風のオシャレな店では決してない。だが、それがいいのだと入るなり気づく。創業は昭和52年、古き良き風情が店には漂っていた。最近見かけない、タンの味噌ダレも健在だ。「昔は、タンはこればっかりだったんだよ。どの焼肉屋も自家製の漬けダレがあって、それで競ってたんだよ。これが、美味いんだ」の言葉に促され、味噌ダレのタンを初体験。タン塩とは全く別物、柔らかくて分厚いタンが、口の中で味噌風味とともにふわっととける。そこに店主考案の「ゴーヤサワー」がさっぱりと最高の伴走者と化し、いくらでもお肉と酒が進んでいく。
「こういうお肉はなかなか食べられないよ。それを30年前とそう変わらない値段でやっているから」こそ、都内や埼玉など遠方から旨い肉を求めて、食通がわざわざやってくるという話も、ごく自然に納得だ。
ならば、我らは地の利を生かそうではないか。旨い焼肉に心の底から泣きたかったら、市役所通り、和光の扉を叩けばいい。











とにかく一口頬張ったその瞬間、怒涛となって感動の嵐が押し寄せた。分厚く切られたタンを見よ。これぞ、最上級・国産黒毛和牛の黒タンだ。店主曰く、都内なら1人前3000円は下らない。
「国産黒毛和牛の最高級A5ランクだよ。他では扱えない、いい肉を使ってるの。この最高級黒タンだから、これだけ厚く切れるの」と教えてくれる店主・高橋さんの言葉に、タンを噛み締めひたすらうなづく。
和光の肉を食せば、きっと誰もが言葉を失う。言葉など不要な境地に、一気に行き着くのだ。甘味があって、清涼感あふれるレバ刺も、生涯、最高の味と言っていい。
「ロースとカルビは、宣伝のつもりで安く提供してるんだよ」と、うれしいことに950円と破格の値段。「いい肉は脂で決まる」という意外な指摘も、カルビのしつこくない脂のたまらない旨さに心から納得し、噛めば噛むほどジューシーな肉の旨みをとっぷり堪能。霜降りロースは、口の中でとろける驚くほどの柔らかさ。こんなロース、初めてだ。
最早、口から出るのは感嘆符のみ、本物の肉のあまりの旨さにただ、感動の涙がこみ上げてくるのであった。