いい蕎麦は、素材と技術と根性と
ばあちゃんの蕎麦

十割そば「きさらぎ」以外に、「せいろ」(535円)、「あらびき」(655円)と3種のそばの食べ比べが楽しめる。
オープン以来2ヶ月、お客の軍配は「きさらぎ」に落ち着いたという。
オープン以来2ヶ月、お客の軍配は「きさらぎ」に落ち着いたという。
暴れるタレに苦労ひとしお
「蕎麦は、とにかく素材」と関さん。「技術も重要だが、何しろ根性がないと・・」という訳には、タレの存在が大きい。毎日、天然素材のみで作った返しをベースに、昼用と夜用のタレを作るが、「タレが暴れるんです。3時間おきに味が変わるんですから」という大変さ。こうして日々、格闘する中、きさらぎのタレは進化を続けている。タレが旨いからこそ、きさらぎでは天丼も超人気の一品なのだ。
メニューは昼と午後で変わる。昼は蕎麦に小鉢といなり寿司がつく、セットメニュー(粗挽き蕎麦セット935円、きさらぎ蕎麦セット1145円)がサラリーマンに人気だ。
夜、ゆっくり食事を楽しむ向きには、デザート付きの「蕎麦御膳」1462円や、焼き鴨ごはん付きの「ぜいたくセット」1567円がいい。天ぷら盛り合わせ685円など、酒肴で一献も格別だ。
ごまかしも妥協もない本物の食をとことん追及する関さんは、お客にあらゆる楽しみを提供すべく、今日も奮闘を続けている。

近辺では珍しい、本格台湾ウーロン茶が楽しめる店でもある。梅山ウーロン(510円)、阿里山ウーロン(796円)など、
これまでのウーロン茶の認識を覆す、本格茶葉が揃う。
これまでのウーロン茶の認識を覆す、本格茶葉が揃う。










関さんは英会話スクールの講師という、異色の経歴をもつ。そばとの出会いは、仕事柄、よく利用していた国際線のフライト上。しかも、英文の機内誌。そばの抗がん作用について記されていた。「日本はアメリカより2年遅れでブームが来ますから、これはいずれ来るな」と、関さんが初めてそばを意識した瞬間だった。とはいえこれまで、美味しい蕎麦に出会った試しがない。
蕎麦体験が一変したのが両親の実家がある長野県北部で、近所のおばあさんが打った蕎麦を食べた時だった。「味も香りも今までと全然違っていて、ショックでした。本物の蕎麦はこんなに美味しいのか」と。関さんの人生は、ここで大きく蕎麦にシフトする。
以降、2年半に及ぶ関さんのそば修行は、このおばあさんのもとからスタートする。店のキャラクター「きさらぎばあちゃん」のモデルでもあり、「水と醤油とかつおぶし、・・・何もかも昔のままじゃから」というおばあちゃんの語りは、そのまま関さんの原点だ