3.14バールが提案する、<BAR=バール>的生活のススメ
そもそも、バールとは?

福生的<バール>の目指すもの
池和田さんは、イタリアで修行中、さまざまなバールに出会った。バールごとに個性があり、自家製生ハムのパニーニならここ、ドルチェならここと、オリジナリティあふれる食を競いあっていた。
その気軽さや活気を支えるのが、「ターボラ・カルダ」(ショーケースの商品を温めて出す方式)と、「ターボラ・フレッダ」(サラダなど、そのまま出す方式)。だから低価格で、自由な空間が可能となる。
「これまでの日本人の感覚と違うのかもしれないけれど、かしこまって食べるなんて、おいしくないでしょ。誰もが気軽に、好きなものを自由にチョイスして、料理とそこに流れる時間、両方を楽しんでほしいんですよ」
銀座通りにはもっと、バールのもつ自由な<広場>的要素が、大事なはずだと池和田さんは考える。
「たとえば育児に疲れた若い母親が、赤ちゃん連れで、ほんのひととき、ここでコーヒーを飲む。いろいろな人がここで出会ったり、癒されたり、リフレッシュできたり・・というのが、僕の願いです」
土と食をつなげたい
池和田さんがイタリアンレストラン「3.14」をオープンして12年、たどりついたのは、年配の人まで誰もが楽しめる、「福生のイタリアン」を作ることだという。
一方、一貫して変わららない基本が、素材へのこだわり。だから、無農薬野菜を作る。畑を始めて8年。池和田さんもスタッフも毎日、畑仕事に精を出す日々だ。
調理は流れ作業にはしない。一つの料理を最後まで、責任を持って作るというスタイルを頑固に貫く。
「スタッフには、お客さんが一口食べた時の顔を見ろと、いつも言ってます。残したら、それを食べさせる。それで何が悪かったかを考えさせる。お皿が空になるまで責任を持て、というのが僕のやり方です。だから厳しいですよ」
アンティパストの充実、水揚げしたばかりの魚料理、ドルチェを増やす等々、まさにING、現在進行形状態の<バール>だ。池和田さんには、密かな野望があるという。それは「畑(土)と食の一体化。しかも街中で!」―、実現したらどんなに楽しいことだろう。心から応援したい。











イタリアの街角には広場があって、教会があって、そしてバールがある。それがごく当たり前の、イタリアの街の風景という。
街のランドマークでもあるバール、その数、イタリア全土で何と16万軒。地域に密着した、生活に欠かせないお店<バール>は,たとえていうなら、朝から夜まで人々とともにある、気軽に立ち寄る止まり木のようなものだとか。
イタリアの人たちは、こんな感じでバールと共にある。朝はカプチーノとパンを食べ、お昼はパニーニ(イタリアのサンドイッチ)でお腹をいっぱいにし、夕方、仕事帰りにエスプレッソで疲れを癒し、夜はおつまみや料理とワイン、グラッパなどを仲間とわいわい飲んで食べて・・・、と。
つまり、とっても自由で、気取らず、ゆったり、自分流に過ごせる空間、それが<バール>なのだ。
最近、日本にも徐々にバールという業態が現れ始めたが、まだまだ少数、都心や地方の大都市に限られている。